【続バードウォッチャー考】誰も正しくない。真実は「客観」のなかに。【函館山の150種】
呪文のように繰り返しているが
「函館山は野鳥の宝庫で150種もの鳥が観察されている」
昔々、誰かが無責任についた嘘である。
そしてそれはそのまま検証されず「放置」されている。
こうしたルーズさにも函館を感じてしまうのだけど。
自分だけでなく(函館・鳥ブログの)S氏の観察経験も見事にそれを裏付けている。
というか、S氏は函館山に出没すらしていない。
うがった見方をするなら、函館山ではS氏が好きな「美しい絵」が撮れないから、
なのかもしれないが。
※ルリビタキ@函館山(23年4月)
そしてあの国際的な投稿サイトでの函館山の観察記録は86種である。
この86種には自分がブーストした17種を含む。つまり自分が増やす前、
函館山はたったの69種だったわけである。
これでは道内有名探鳥地ランキングの種数30位にも入らない。(8/24時点で40位)
※種数に関していえば16~20位ぐらいが実力と思うけど。あとはヒグマが出没しない身近さ。
そしてS氏は函館山でもなく、香雪園でもない場所で140種近くを稼ぎ出しているのである。
さらにいえば、彼に対して市内で誰も追随していない。
腕の立つ多くの函館カメラマンは自らのメモリーカードの中に
その「実績」を封じ込めているだけなのである。誠に残念。
鳥撮りとしては誰しも珍しい鳥に出会ってジマンしたい気持ちはあるだろう。
しかしそれが「全国レベルで珍しい」なのか「函館では珍しい」なのか「本人的に珍しい」なのか。
もしくは「思いのほか撮りづらい」なのかをふまえてワクワクする存在なのか、問いたい。
※インスタで(誰かに)「上手いな」「アグレッシブだな」と思われて満足する傾向?
いままでに何種見ましたか?
これまでのベストショットは何ですか?
たぶんこの問いに的確に答えられないのはいわゆる「自然写真家」が多いせいではないだろうか。
惰性な活動?
※自然はきれい。キアゲハだってきれい
まあ300種超えともなれば素人から見て確かにクレイジーレベル。
でも100種超えなんかあっという間なのである。
よって、目標を決めて「壁」がどこにあるかはやってみると否が応でも身にしみる。
具体的な数字を言うならさほど動き回らずとも
函館は年間100~120種をコンスタントに観察できる素敵な環境なのである。
さて、次の野鳥は全国的に見て実にありふれた野鳥である。
・ヒバリ ・ツバメ ・ムクドリ ・セグロセキレイ
じゃあ近所の鳥撮りの皆さん、これらに函館市内で出会ってもこんなのはいい、と日々スルーしているでしょうか。
※個人的にベストショットなセグロセキレイ@群馬県前橋市
ポイントは4種とも函館山にも香雪園にもいない生活スタイルの鳥、ということ。
でもって確実に函館市内(町域にもよるけど)では他地域よりも見つけづらい。
個人的にはセグロセキレイは北海道にいる種なのに函館市内では6年間で一度も会ったことがない。
でも、宮城県、岡山県、愛媛県、群馬県、京都府あと阿寒。けっこう会う。旅先で自分、なんで撮ってるんだ?
とよく思うわな。
じゃあS氏は函館市内の何町でセグロセキレイに出会っているのか、(投稿サイトに)画像もアップしてみな、
である。まさかハクセキレイと見間違っているはずはあるまい。きっとアップする価値がない、と信じているのだろう。
今回、この国際的投稿サイトの罪深さはトップランナーS氏が「函館のどこか」で
出会った鳥が多すぎて、第三者にはさっぱり参考になってない、ということ。
それでいて自らのブログに「函館」を冠しているからカナシイ。
あと函館山より五稜郭(87種)のほうが野鳥観察できる、という誤情報を
結果的に発信してしまっている、ということ。
※オオワシ、ミサゴ、オオハクチョウ、コハクチョウ、マガンなどの上空通過組を「五稜郭」で投稿する、
そのココロは五稜郭の観察種を増やしたいから。としか思えない。
さらに画像を伴わない外国人投稿者の季節を外したズレた投稿も目立つ、ということ。
「8月に朝市で"カモメ"を5羽見た」…これではハードルが低いにもほどがある。もちろん画像ナシ。
「カモメ」という名の野鳥は冬鳥で函館付近ではせいぜい4月上旬で北へ帰って行く。
通年居座っているのは「オオセグロカモメ」と「ウミネコ」だけである。
せっかくの国際的サイトなのに無知な(外国人)初心者とマニアックな投稿者のバランスが実に悪い。
※これは函館というマチに「観光地的傾向」があらわれているとも解釈できる。
★カモメ(成鳥)=脚・黄色、嘴=黄色・点なし、観察時期おもに1~3月(上画像参照)
ちなみに
★ウミネコ=脚・黄色、嘴=先端が明瞭に赤+黒、(飛翔時に確認)尾は黒帯(画像は第三回夏羽…成鳥直前)
観察時期通年=繁殖期4・5月は若干数が減る
★オオセグロカモメ(成鳥) 脚・ピンク、嘴=先端にわずかに赤点、(黒も残るのは若めの個体)(飛翔時に確認)尾羽は白
観察時期は通年=「最大最強」なので単独種ではそれほど群れない。ということで「顔」ですぐわかります。
このベースがあってはじめて冬にたまに会う「珍しいカモメ」にわくわくするのね。
ちなみにこのサイトでは函館市で観察された野鳥の総数は222種となっていて、
内訳を見ていくと(八戸や大洗からの)苫小牧航路のフェリーから見た
いわゆる恵山沖の外洋性の種が35も含まれていた。
このうち画像が伴うものは7種のみで、まあ船上から撮れるのは飛翔中が大半で
確かに撮影には向かない。
このほかS氏が10年以上前に遭遇した珍しい種も12あまり含まれているので、
確実性を考えると総数222からはだいぶ減る。
ここから自分が【函館市内では】見ていないだけ(=他所で見た)のものを除けば、
今後新規の出会いはそう多くないことがわかる。
じゃあ今後どう楽しむか。答えはカンタンなのだけど。
最後に自分がこの国際的投稿サイトを信頼したのは
「日本野鳥の会」が日本語版を導入したから、である。
「日本野鳥の会」???
残念ながら函館に支部はない。
函館に野鳥観察のリーダーは存在しない。
存在するのは「いる鳥を見る」老人軍団だけなのが最大の難点である。(日本野鳥の会・道南檜山)
というわけで自分はコツコツ有意義な情報をネット上に残すのみ、だね。
*ソリハシシギ(23年8月)
その季節、季節に(リスクを冒して)やってくる「彼ら」をホメてあげたいし、
子育ての苦労の末、一人前になっていくチビたちを見守ってあげたいと思うから。
*ヤマガラ幼鳥(23年6月)
自然界を生き抜くのは人間たちが想像するよりタイヘン。
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