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2024年4月27日 (土)

【12年ぶりの函館登場なのに】NHK-BS「新日本風土記 函館の光」レビュー・PART1

※※24/4/30 4:55PM加筆補足

※先行記事 24/4/22更新

【12年ぶり函館登場】NHK(BS)新日本風土記「函館の光」レビュー・序章【哀しみの街?】」(コチラ

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逸れるかもしれないが、ここから始めたい。

59分の番組を3回見直して、タイムラインで書き出し、どこで失敗作になってしまったかを

考え終って、胸のつかえがとれた瞬間に思い浮かんだ曲。

SMAPの「夜空のムコウ」

なのである。

別にカラオケで歌うレパートリーでもないし、SMAPのファンでもない。

3000曲にもならんとする、知ってる曲のなかで

トツゼン浮かんできたのは「夜空のムコウ」。

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いい導入かな。

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「函館の光」

制作側としてはこの函館山から見える小さな光のひとつひとつが

まさに暮らしている函館のひとりひとりだ、とまとめたかったのでしょう。

 

それを

小さな光のひとつひとつが「人々の暮らしの灯」などというから、

ズレてしまう。陳腐になる。

 

番組を見てない人のために、番組構成をざっと紹介。

1.道南いさりび鉄道の鉄路を守る(保線担当の)人々

2.函タクのMドライバーの函館案内

3.函館山展望台からの日吉町(三丁目?)在住民Tさんの「街灯を増やそう」活動

そして「夜景の日」

4.ラッキーピエロ峠下店の電飾からの創業者:王さん親娘インタビュー

5.おもて夜景と裏夜景(カフェen@赤川、登場)

6.イカ漁師をやめて、干物屋さんに転じた海童丸の主人

7.弥生町の大正湯

8.作家・佐藤泰志の見ていた風景、「海炭市叙景」、老舗バー「杉の子」ママのフォロー

9.「FMいるか」を介して出会う人々、パーソナリティ中野さん登場

10.湯川団地と「菊の湯

11.光を再び点し、守る人々(大三坂ビルほか)

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たくさんのエピソードから、函館の人々を描きたかった意図は理解できる

北洋漁業全盛の昭和が終り、連絡船の時代から青函トンネルの時代へと変わり、

イカの街函館も過去の話になりつつある令和。

 

描ききるのは確かに難しい。

前半:Mドライバーのくだりが3分55秒

王さん親娘のくだりが4分40秒

中盤:再びMドライバー登場して1分30秒

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大正湯のくだり3分20秒

後半:佐藤泰志にからむ話が挿入V含め8分30秒

FMいるかリスナーエピソード等が5分50秒

ここまでがぎりぎりガマンだったが、

湯川団地と蒲生不動産の4分余りで、そこまでの展開が台無しになった。

 

とにかく佐藤泰志が出てくるとかなりセピア色が強い。

青函連絡船が終って2年後、自ら命を絶った泰志。

残した作品は7作。芥川賞に5回ノミネートされすべて落選。

25年後に北海道新幹線の時代がやってくるなど思いも寄らなかったろう

いや思いたくもなかった、が正しいか

この時期はほかに辻仁成の「クラウディ」「海峡の光」などがあり、

北洋漁業と連絡船のほぼ同時終焉で、函館に閉塞的なムードが漂っていたようだ。

※「海峡の光」は1997年に芥川賞受賞とは皮肉

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ちょうど自分はそのとき東京にいて、そのあたりの「哀」をまったく感じ取っていない。

 

はっきりいって函館に対して「ネガティブが過ぎる」この両名の作品は敬遠。

辻の「クラウディ」を読んだのは発表から約25年過ぎた2010年代半ばだった。

 

とにかく一冊の雑誌を作る場合でも、オムニバス的に細かなエピソードをつなぎあわせて

ひとつにまとめる方針はなくはないが、

「買わせる」ための目玉は何なんだ?である。

そこが弱いと顧客を引きつけられない。

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こうした戦後、昭和中盤から終盤までの函館の経緯を知らない人々に

この番組はピンと来ないし、市外の人間ならなおさら、これら「ネガティブ」を

改めてセピアな魅力としてとらえてもらえるはずもない。

まあ、日本の港町はどこでも影の部分は強烈だと思うのだけど、

こう切ると函館はひときわだから始末に悪い。

 

というわけで、やはりレビューは前半の話と後半の話に分けては進められないね(笑)。

 

とにかく佐藤泰志登場で、終盤の立て直しがとても難しくなったことは明白だ。

没後30年を超えた人物で函館を語っては未来志向には持ち込めない。

 

というわけで、とってつけたようなラスト、

「人と人の出会いがこれからの函館の光となる」

あの彼が語っては元の木阿弥。

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末広町18-25にいまあるのはシーシャバー(三代めの入居者)(とカフェ三代目/ブライダルサロン)で、

大町3-16では閉店したまま、立ち退かない人物と

営業時間を縮めに縮めたハンバーガーショップが青息吐息なのだから。

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そして最後にどこかわからないビアバー<※判明したのでPART2で>の客の

※4/30 4:55PM加筆

「函館の夜景、昔はもっと明るかった。迫ってくるものがあった」

「100万ドルの夜景と言われた時代に戻ってほしい」

こんな無責任なコメントを使っては、鉄棒演技ラスト、着地で転倒して後頭部を打ちつけたに等しいのである。

 

だから点数をつけるなら、

2012年の前回作を100点とするならせいぜい28点の、大不合格。

函館のせいだけでなく、制作の力量も確実に衰えていることがわかる。

まさに桔梗や石川町在住者になんぞには伝わらない歪んだ函館像なのでした。

 

PART2では個々の違和感について解説、します。

やはりPART3まではみ出しそうだ。

 

※それにしてもオリジナル素材、けっこうあるっしょ?

 

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