【〇撮りの闇】違いを知る努力と、記録して蓄積する構え【敵は主に加齢による劣化】
きょうの記事は前半は思いっきり風景写真論で
後半は思いっきり野鳥写真論。
かつ人間の【素質】【資質】論となります。
あしからず。
※さて、これはどこの風景でしょう、か?
目指すのは「それなり」でいいと思うのだけど、
ふだんの生活を「それなり」にこなしていると、
え?それでOKなん?
というケースがけっこうある。
・本人がそれで満足ならほおっておきなさい
…というのも冷たいよね。
スマートじゃないなあ。でも余計なお世話?
さてと。このブログを始めた当初のコンセプトに立ち返って
過去の「絶景」画像を整理していた。
そこでわかったことは
「時間帯と光」×「カメラの性能」である。
そして「時間帯と光」を活かすためには撮影技術的なものもある。
最近はカメラがどんどん優秀になっているので「それなり」の画像がすぐに得られる。
「それなり」にもかなり幅が出てきた。
では冒頭の画像。
これも同じ場所である。まるで水墨画のような「湖」?
カメラはいまの自分のカメラから遡って3代前のコンパクトな「コンデジ」。
13年前の6月、福島県某所。
こうなったのは東京から夜行バスでここへ行ったから。なおかつ、
ここで日の出時間がガチ曇りだったから。
単なる偶然。
この13年間でこの類いの写真は一度も撮ってない。
いくらかの例外を除いて、写真は撮れば撮るほど、そこそこうまくはなる。
これは2代前のコンデジで撮った写真だから7年前のものだ。
「5月」の水田に映り込む「鳥海山」。羽越本線の代表的な車窓。
まあ、車窓だと限界はあるので言い訳にちょうどいいけれど、
テレビ番組でこの季節の車窓が紹介されたとき、
「自分もソレ持ってる」と思いきや、だいぶしょぼかった。
車窓だから(笑)。
まあ、風景写真は「季節の光」と密接に関連してくる。
こちらは昨年(2022)ようやく11年ぶりに復旧したJR只見線の只見駅の画像。
不通区間があった2015年9月だからこちらも古いコンデジ、鳥海山よりも前の画像。
個人的には(ホームと列車)「ライン」がお気に入り。鉄道写真は知らない間に
「レトロ化」するので、確実にこなしておくとあとでいいことがある。
また、
2015年7月のコレもお気に入り。島根県の日御碕灯台なのだけど、
「白亜の灯台」ならここでなくても条件が揃えば美景になる、と思う。
まさか、この程度を「センス」だとか「忍耐」だとか言う人はおるまい。
ただ「あ、いい!」と直感した瞬間に準備ができているか、
それだけの話で、古いカメラで撮った画像のなかにも
お、なかなかだな。と思えるものがけっこうあった。補正して少しましになるレベル。
もちろん夏旅最初の16年と以降の近6年では打率が違うけど、
クズ写真はクズ写真。でもある。
その代表はというと22年4月撮の
皆さんご存じの「函館山の兄弟」のアノ湘南の…である。
似たようなアングルがその6年前(これも4月)にもあり、
16年のは14時。22年のは14時半。
江の島は朝から撮りに来い。である。
こっちは比較にならぬほど素晴らしい。午前8時だから。
「空の青」が再現できる時間帯。
ちょっと無茶な表現かもしれないが、
「あ、これ!」と思って撮って
上がりを見て「まあまあ、かな」と愛せたかどうかが大きい。
複数撮っていちばんマシ、伝わるカットをセレクト。
鳥撮りでも一部の「無記録派」はシャッター数だけ激しくて、
その大半がいまの自分の機材より上位機を使っているから笑えてしまう。
ここにオオソリハシシギという旅鳥がいる。これは9月道南某所の撮影で、
はるか北の繁殖地から南半球の越冬地をめざす未成鳥。渡りに慣れてないので
9月にもたもた南下している。この個体もみごとな「はぐれ」でした。
とにかくまだ「警戒」もぎこちない未成鳥。
誰がどう見ても「嘴の長さ」が特徴。
現在の自分だと出会っての嬉しさは仮にスズメを1、シマフクロウを10とするなら
3か4レベルである。これまでに10回ぐらい出会っている。
※2016年、谷津干潟(千葉県習志野市)で初めて会ったときの画像。めちゃ遠い。
しかも古いコンデジ。でも5月なので成鳥夏羽。
※これは上写真の1年後(これも4月)に同じ場所で。カメラが変わって
だいぶましになりました。ただ9月道南の写真とはほぼほぼ撮影条件(距離)の差。
しかしながらこの鳥に初めて出会って「正面顔」を投稿サイトに投稿する人物がいるから驚く。
※オオソリハシだから、長い嘴がどの程度反っているのか。その微妙さをしっかり見届けるが第一歩。
再現だけど、こんなカンジで投稿していた。このヒトにとって「ベストな写真」とは???
※このネタを準備していたらつい最近、大森浜で6年ぶりにオオソリハシに会いました。通算12回めの遭遇。
これをセンスというのは悲しい。しかも日本一、シギチドリに出会えると言ってもいい、
種数も個体数も指折りの東京湾の某所で、である。
年齢にかかわりなく、自己承認欲求が高いのは許容するが、こうした人物が投稿サイトに
「本名登録」しているから驚く。個人情報はもう捨てた?
どんな投稿サイトでも不特定多数が参加しているのだから、立ち居振る舞いはある程度
他者を観察してから投稿するもんじゃないの?
確かに函館もイナカモノが目立つが、東京でも半端なく人間が多いため無知蒙昧も目立つ。
東京でも「何か鳥がいた」で撮ってる徘徊カメラマンがけっこういるようで。
ひまつぶし結構ではありますが、向上無縁で自己主張は勘弁してほしいのね。
なにごともどうしたら上手くなるか、何が原因で失敗したか。を知るところから。
偶然の産物か、必然の産物か。
でも。こうした人物がネット上でコミュ力を発揮して上達した例はほとんど見ませんな。
ある参加者がスズメとホオジロの区別がつかず、腰抜かしたことがあったけど、(このときは自信喪失状態?)
その人物のHN4文字は本名5文字のうち、4文字を抜き出したもの、でした。※後日自分で本名をバラしている体たらく
観察歴は自分よりも長いくらいで素晴らしい環境にお住まいなのに、中核メンバーというにはかなり遠い。
そうそうオオソリハシシギで思い出しました。2021年晩夏のこと。
奇跡的に似たポーズの画像が撮れたのだけど、上がオオソリハシシギ未成鳥で
下がオグロシギ未成鳥。
場所が淡水域なのでオオソリハシが来てるとは思わず、現場では2羽同じ種類だと
思っていた。
オオソリハシの「反り」はその程度の微妙さ。特に未成鳥(第一回冬羽)はオグロ(の同齢)と識別するのは困難。
確かに
オグロシギの尾は黒いのだけど、飛ばないとなかなかわからないし。
で、決定的な識別ポイントは上面(背中)の羽色のコントラストが
明解なのがオオソリハシで、ぼんやり気味なのがオグロなのねえ。
これを知ってれば一発。
この年は半月後に茨城県某所(淡水域)でオグロに再会したので、
識別眼はより確実なものになりました。
とにかく
・被写体に気づかれていまにも逃げそう
でなければ、できるだけ「よいポーズ」を「よい背景」で撮るのがイキモノ撮影、でしょう。
・被写体がなんとなく気づいて徐々に遠ざかる
バアイは申し訳ない!です。
だいたいは遠くから少しずつ撮っていって、ぎり近づける距離を探る。
もちろん「光の具合」と「よい背景」を揃える。
※アカハラ@香雪園(22年5月)…このときは完璧な待ち伏せ成功
スペックの劣る機材(そのぶん機動力はあるけど)なら必要な努力だし、
上位機材でふだんからそう心がけているカメラマンは達人です。
というわけで、空抜け上等であおって撮っている時点で(レンズが上を向いている時点で)
そこまで撮らねばならない鳥ですか。となります。
ほらね。ダメダメなシマエナガでしょ?
これでも不満だけど。ちびエナガがからしょうがない。
このぐらいのバックと姿勢とふんわり感で
やっと「シマエナガ撮れました」。
風景写真が判断・読み、なら野鳥写真は(被写体との)対話・読みです。
まあ力不足なうちは投稿サイトの実名バレは控えたほうがよいと思うわけです。
冒頭のモノトーンの被写体は会津の秋元湖でした。
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