【令和三年霜月・師走】函館の港や海に毎年やってくる水鳥編(3)
年明けにも函館港の同じ場所をちらっと
のぞいてみましたが
寒気の影響なのか、12月前半のようなメンバーにさっぱり
会いません。
ペース配分や時間帯を調整したほうがよいみたいで。
というわけで、今回は初冬の函館の海に登場した
ウミアイサ、と
スズガモで楽しんでみます。
なぜその時期の函館が好きなのか、どういう越冬過程でそこにいるのか、
妄想するのは楽しいことだと思います。
過去の観察経験で言うなら、
ウミアイサは松倉川・鮫川に年に数回登場しています。
(3/12)
松倉川にはカワアイサの越夏個体(渡りができない事情がある個体)が
ほぼ常駐しているので、1年もかからないうちに
ぱっと見でカワアイサ/ウミアイサの区別ができるようになりましたが、
初心者はたぶん「え?どっち?」となるでしょうね。
ガタイはカワアイサのほうが大きく、髪形はウミアイサのほうがパンキッシュです。
で、他種もそうですが、冬シーズン前半は
その年生まれの若い個体はオスでもメスっぽい羽色をしているので、
若オスを見抜くのが楽しいわけです。だいたいにおいて
若オスを見抜くほうが若メスを見抜くよりカンタン(笑)。
ウミアイサは初認(11/16)、入舟町で
こんな、んしてましたが、
いかにも初めての冬で、振る舞い方をわかってない
かわいらしさで固まっていました。
そのなかから、
こいつはオスだべ。三列風切りがきれいにストライプ状になっとる。
ということになりましたが、ほかの2羽は
たぶんメス。どまり。1羽眠気を止められないのがいましたし。
さあ、次に会うときはさらにきっちり見分けるぞ、と意気込むと
(12/11)
右がオスで左がメスだろ?と思いきや
左もやっぱりオスで繁殖羽に換羽中の個体でした。
オスとメスなら
こうなります。
カモの仲間は種で少し成熟に差があるものの、北の地から
南下して「越冬」中に繁殖準備を整え、
ほぼほぼパートナーを確定させる試みを北帰のタイミングでするようです。
なので、越冬中にオスメス仲よくしていても、これあくまで「仮」の関係。
たぶん、最終決断をするのはメスのほうではないでしょうか。
というわけで年明け3月ぐらいになると、メスが何羽かのオスを引き連れている
シーンがよく見られますよ。
※ということは3月のウミアイサ♂はお目当ての♀を見失って北上中、ということですな。
でも、12月のウミアイサより鮮やかなことがわかると思います。
ちなみにウミアイサは成熟している個体は目が真っ赤のようで、赤が鈍い場合は若い個体と
言われています。
つづいてスズガモ。
スズガモは亀田半島東側の漁港などにもよく入ってきますが、自分が
いちばん回数観察しているのは八戸だったりします。
八戸の漁港、蕪島の近くは観察しやすいんですよ。
それが、ことしは
スズガモってけっこう函館港が好きなんだっけ。
と思い出しました。
※実はスズガモ最大の越冬地は東京湾や伊勢湾。北海道や東北で越冬するのは横着モノ?
ま、函館港が好きでも、そのどこへ行けば観察できるかといえば簡単ではないんですが、
11月から12月にかけて、西波止場、新島襄の像のあたりでけっこう楽しみました。
まずこれが成鳥オス。(12/4)
頭部は構造色で光の当たり方によって緑っぽく出ます。
背中の細かい模様がまだ完全に揃ってませんが80%は繁殖羽になりました、の
成鳥オス。
いっぽう若オス(第一回冬)(11/16)は
こんなカンジ。まだ幼い感じが残っていて
メスじゃないの?という感じですが、
頭部は黒く光沢が増し、背中の模様も徐々に整っていきます。
もっと時期が過ぎればこんな感じになります。
↑↓どちらも八戸港(20/3/4)
個体差はありますが、3月でこれだから
初年度はまだ「一人前オス」までは時間がかかるようです。
いっぽうメス(11/16)は
かなり似てます。
鼻先の白っぽい部分が残っているのは若い個体かメス。
でも脇の色味がオスだと早めに白っぽくなっていきます。
鼻先の白、と脇の茶でメス判定。
これもメス(12/4)。頭部が茶色くて胸の茶と同系と見ます。
何より鼻先が白すぎ。
ただこう並ぶとどうでしょう(12/11)。メスでも背中の細かい模様が
出てくるので、黒っぽいほうが年下かな?
このときは20羽ぐらいの群れだったので、そのうち謎が解けてくるだろう
と思っていたら、年明けいなくなっているのでガッカリです。
何度も見ているカモ類でもこういう羽衣の変化を探し出すのは
面白いですが、多くの鳥撮りはその種が「いた・いない」だけで
終わらせてしまうのでもったいない。
それにしても「好んで」(本州の)メジャーな越冬地まで下らないのは
ありがたい奴らでもありますね。
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