【函館山のスペシャルデー】青い小鳥たちのお見合いパーティー!
函館でよく観察できる野鳥で、本州以南では
山地でしか会えず、なかなか撮影できない系で、
真っ赤な小鳥と言えばイスカのオス。
以前ブログで紹介しました。
そして黄色い野鳥といえばこのマヒワが思い浮かびます。
やっぱりオス(右)のほうが鮮やかですね。
どちらも冬の鳥で4月いっぱいは低地にいますが、春の訪れとともに
山地に帰っていきます。
メジロもかわいいけどよく見るとウグイス色=黄緑だし、あまりにバカっぽいので
色の代表にはなれないですかね。桜や梅とセットならありですけど。
でも汚い色のメジロもいますよ。
まさかこれ全部花粉じゃないだろうな。
それでは、青い小鳥と言えば?
水浴び直後のぼさぼさで失礼
オオルリ、なんていうのも思い浮かびますが、
特に函館山と言えば、ルリビタキと縁が深いんですね。
ルリビタキは夏にかけて高山帯で繁殖するために移動してくるのですが、
なぜか函館山が大好きな鳥で必ず、行き(春)と帰り(秋)に函館山を通っていきます。
繁殖活動をするには函館山は標高が低いらしく、通っていくだけですが、
この年2回の集合っぷりがなかなか半端じゃないようです。
たしか函館でルリビタキの渡りを30年以上調査している人もいましたね。
調査してもそれでもよくわからないのは函館山で足環をつけて放鳥した個体が
他地域でさっぱり回収されないから。
その理由として
・ルリビタキの越冬地で調査がされていない
・ルリビタキの寿命がそもそも短い
まあサイズからして長生きの個体で5年というのはまあ珍しいのではないかと思われます。
それでもオスがちゃんと青くなるのに3年かかると言います。
1年未満のオスは外見は青くなくメスにしか見えんのです。
で。
この4月17日は特異日でこのなかなか見かけることのない青いオスを次から次へと観察できたから
びっくり。
だいたいこの鳥、ちゃんと撮ろうと思っても
・人間の気配にとても敏感
・一か所にじっとしていない
・暗いところが好き
・逆光だと青く撮れない
しかも、なかなかこっちを向いてくれない
これまでの自己最高はカメラのファインダーに入れた最多の回数がせいぜい1日10回程度でした。
もちろん日々通って1日ゼロ回はザラ。完全ハズレ率50%以上。
そしてシーズンのピークでもその中で発見してちゃんと撮れるのは2~3割。
同じ枝に10秒留まることはまれ。
ところがこの日は、50羽ぐらい出会った上に、そのほとんどが青いオス。
なので、
・見つけたときにはもうその枝にいない
・見つけてもファインダーのセンターにとらえられない
・とらえても枝かぶり
・枝かぶりじゃないけど逆光
・順光で枝かぶりがないのにこっちを向いてくれない
・カメラの都合でピントがきっちり合わない
これらをすべて差し引いて12羽を撮影することができました。
撮り逃がしても次々チャンスが訪れるため、
自然にシュート→ゴールの精度が高くなります。
というわけでこの日の12羽全個体画像を公開です。
・いやあ青いんだけど、これ1羽で終わるのは勘弁。100点満点で40点の画像。
すると、
・おっと青くなりかかっている3年めの個体かな。いまいちシャープに撮れていない。65点。
・これも3年め、かな。シャープに撮れてないし。60点。
・これは合格!と思いきや、またしても青くなりきっていない3年め。まずまず合格の75点。
・5羽め。これで合格でしょう90点。ほぼ青い。よし頑張ってよかった。もう少し撮りましょう。
・6羽め。これもしっかり青い。向きは逆だけを背中と顔をしっかり見せてくれたので80点。
・7羽め。正面のみ。背中がよく見えないので3年めかそれ以上か不明。
・8羽め。これもこっち向いてくれてるけど、かなり逆光。補正して70点。
・9羽め。やっと真横。でも暗がり。表情はいいね。まだ撮る?
光が来ていないので75点どまり。で、ここまでのベストは?
・10羽め。ちょっと遠かった。フレームに入れるのが精一杯。60点。
まだあんのか?
ありました。
・11羽めがこの日のベストでした。95点!!!
粘ってよかった。
もう一丁おまけ。これで帰れる。
・12羽め。青いけど遠くてシャープに撮れず。でもこんだけ取れたら本望。
切り上げどきが肝心だけど、それなりに欲張って見るべきでしょうね。
この間「きょうはメスを撮ってないわあ」と撮ったのは
これだけです。これゼッタイ、オスの2年めではない、かどうかは不明。
とりあえず見てくれはメス。
誰もきょうが年1、2回のパーティーですよ、とは予告してくれないし、
その日の天候が恵まれるとは限らないので、次回はたぶん3年後ぐらい
なのではないでしょうか。
というわけで。
スペシャルデーが存在することがわかったと同時に
「レア」を判別する日頃の鍛錬がだいじだなあ、というそういうことです。
毎年春と秋に30、40回山に通うのはこの1日、いや「2時間」のためだったので。
ちなみにこんだけオスがちょろちょろ登山道に出てくるのは、もちろんお嫁さん探し。
数が多すぎるのでつい登山道を横切って、カメラマンにばれてしまうという構造。
念のため、翌日も同じ時間帯に同じポイントに行ってみましたが、すっかりもぬけの殻で
メス2羽をチラ見できただけで撮れそうなのは1羽もいませんでした。
このギャップがたまらないルリビタキですな。
あまりに極端なので令和二年第二回(第二波)が企画されているのかもしれませんが、
まあもう欲張らないことにしようと思います。
※この日、ほかのカメラマンにはひとりも会いませんでしたが、その後聞いたら、
何人も「あの日は特殊だった」と口をそろえておりました。探索ルートが違うと会わないもんだ。
ランキングサイトに参加しています。上のシロフクロウ・バナーをポチっと、よろしくお願いします。
« 【ノーマスク院長続報】直撃したらNHK函館が意味不明な庇いだて!? | トップページ | 【令和2年・第三回タビ】乗りつくし系・ちょっとしたオマケ@三重県(名松線・参宮線) »
「ありがとう!函館の自然」カテゴリの記事
- 函館山・24/1/5NHK「さわやか自然百景」にようやく登場(2025.01.12)
- 【2024年版】函館市内「シギ」「チドリ」事情=第二回=【旅鳥たち】(2024.10.12)
- 【当たり年の次はハズレ年?】「オオタニサーン」のおかげでプチ奇跡。マジで【10年に一度以上のレア観察】(2024.10.13)
- 【eB観察記録】函館市は累計だとすでに「全道3位」なのであった!(2024.10.05)
- 【2024年版】函館市内「シギ」「チドリ」事情=第一回=【旅鳥たち】(2024.10.01)
« 【ノーマスク院長続報】直撃したらNHK函館が意味不明な庇いだて!? | トップページ | 【令和2年・第三回タビ】乗りつくし系・ちょっとしたオマケ@三重県(名松線・参宮線) »
コメント