属性論の彼方に見たい景色について
「属性論」って、いかにも差別意識を助長して、
共存共生の精神に反するような気がしてる。
それをいかにもA属性的でノスタルジーと受け取ることも
可能かもしれない。
いつも言うように自分も30年のブランクがなかったら、
そこまで強く感じないと思うのね。
その意味でまだ平成→令和の函館の「空気」に染まってない。
ただコトバというのは難しくて、
函館市民のブランクは30年でも、毎年欠かさず帰省して
街の変化は最低限観察していたわけであり、
腰を据えてじっくり見たら、全然そこに気づかなかった、
というだけ。
もちろん変化はずっと続いている。
30年前と20年前がどう違うか、20年前と10年前がどう違うか、
歴史の検証は案外タイヘンなのである。
ついつい現在と過去を比べてしまうので。
1980年という過去はいつまで経っても変わらないが、現在とは常に移りゆきます。
この函館の属性論と対極にある場所(まち)を想起してみると、
どこだろう、地方都市で括ると
松山とか金沢とかの城下町だろうか。
岡山のように政令指定都市になってしまうと背負うものが変わってくる。
多くを受け入れるごとに背負うものが多くなり、変化を余儀なくされる。
ただし県庁所在地であれば、松山も金沢もいろいろ背負っているのである。
それでも函館よりは圧倒的にA属性は多くC属性は少ない。
何が言いたいかと言えば、
北海道にはそもそもA属性は存在しておらず(こう書くと語弊があるが
あえてそうしておく)A属性がないなら隣接するB属性も存在していなかった。
記号を割り振ればA=B属性が少数いただけ。
150年間であらゆるC属性が、AとBに振り分けられた。
(ただし一定数のC属性の流入は続く一方で、各属性の流出も同様に継続)
だからA属性とは経過年月によって醸成された属性なのだ。
自分の属性を戸籍で確認すると、父系母系の祖父母の代に、
函館の人間と結婚した代が存在している。明治期前半の「函館の人間」は
どう考えても函館生まれではないわけだが、函館に来た彼らの子孫が
結婚して家庭を持ち、Aとして定着したからにほかならない。
簡単に言えば、祖父母が函館生まれ、というだけで偉そうにA属性と主張しているだけの話。
読んでいるあなたがもし20代でもそれは同様と考えてよい。
▲湯ノ川村の道路元標
ちなみに当時(大正以前)の函館に現在の湯川1~3丁目は含まれていない。
銭亀沢も亀田もさらに後の時代に函館に「参加」する村だった。
(ま、そのときから住んでいたならスタートはB属性ね)
湯ノ川村の時代である。函館随一の繁華街が末広町・十字街だった時代である。
まちセンが丸井今井百貨店だった時代である。
【昭和9年の大火以降の復興】を学んでいない世代は【函館の過去の栄光】の
実態すらイメージできないのではないだろうか?
※もちろん戦後昭和30~40年代に函館の繁栄&バブルは最後のピークを迎えるのだけど…。
まあこの話はどこへ向かうわけでもなく、
短いながらも函館という街がどんな負の歴史から立ち直ってきたかを
知ることと【便利かつ平和な世の中に生きる幸せ】を感じることは
かなり近いと言いたい。
いきなり例をあげるが、辻仁成や佐藤泰志の世界観にはそのあたりが欠落しているように思う。
もし、いまの生活がつまらない、不幸だ、函館なんて!と単純に感じているのあれば、
そこの学習が足りないのだと思われる。
ま、これも日本各地をくまなく旅して、たとえとば城を巡り、城下町の懐の深さを知ると、
真逆の立場の「北海道」の特性を知るに至る、という話。
A属性の形成が希薄な道内において、函館が相対的にもっともその匂いを
残しているだけに過ぎない。
たとえば札幌のA属性に思いを馳せてみるといい。
「札幌オリンピック」以前にA属性市民が拠り所としてる【歴史】があるなら、
ぜひ今度観光で訪れたときに紹介してほしいものだ。
「開拓使」と「冬季五輪」の間は札幌は空白の時代だったですか?
だいじにされていないだけでしょう。
【歴史】とは常に現在進行形、です。
…あれ、似たような話がこのほかにもう一本眠っているような気が。
「仙台」の出てくる話も、いつか繰り返しで書くと思います。
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