【150周年リトファスゾイレ・サイドストーリー】時空の広がりを感じられたら最高
それにしても想定していた尻切れトンボの流れが
現実のものになるのは、とても嫌なんだよね。
とりあえず、企画どうこうより、自分にとって利があったか、
そこを考えたい。
いままで知らなかった知識が得られた、という点では
間違いなくプラス。
だから、大多数にとっても同じだといいのにね、という
発想になる。
やっぱりこの150周年の件は、サイドストーリーを先に紹介しよう。
函館市立博物館で6月中旬からこれをやっている。
19/9/22まで開催。
連動しようがしまいが、ことしは間違いなく
戊辰戦争(箱館戦争)終結150周年だからね!
あ!思い出した。そこんとこのツッコミはまた別に触れよう。
で、今回の企画展。
新政府軍の中にもスケッチの上手な人がいて、戦争終結後の
上司への報告のために「こういう場所でこう戦いました」と
記録を残している。
上から、備後福山藩、大野藩(越前)、岡山藩。
ひとつひとつが正確かどうかは別にして、それらしく
レポートしているので、これらを横並びに見ていくと、
戦いの全体像が浮き彫りになるって寸法。
また、
これは榎本・松平が英国領事ユースデン(函館公園を作れば?
と言った人物)に五稜郭を占領しましたのでよろしく、の書簡。
翌年は箱館総督府の清水谷公考が青森から復帰して、
「旧幕府軍から箱館を取り戻しましたのでよろしく」と同様の書簡を
送っている。
またこれは中島登の有名な戦友図絵。
弁天台場陥落後、幽閉中に戊辰戦争を戦った戦友を
思い出して描いたもので、写真がなく
ここにしか画像が残っていない人物もいる。
これは明治末期になって、市内の写真館が
「賊軍の写真ありまっせ」と寄贈してくれたもの。
すべてが断片断片ではあるけれど、個々がリアルで面白い。
企画展として
こういう開き直り方もあるんだなあ、と思ったわけです。
これもひとつの歴史のアプローチ。
ガチな証拠をひたすら並べる。
だいたいにおいて、専門の研究者が
「これはこういうことだと思います」と
解説的に自説を述べないと、歴史ってあんま面白くない。
でも、その説が常に正しいとは限らないので、
邪推も含めて「そういうこと?」と疑問符のまま、
飲みこむことも大事だったりする。
ただねえ、そこまでに基礎知識というか、判断基準というか、
ある程度のベースがないと超初心者にはつらいのも確か。
ま、こういう基礎知識は何度でも繰り返し、飲み込んでいるうちに
自分のものになるでしょうけどね。
戦いとは軍vs軍の対峙であると同時に、そこで動いていた
ヒト(個人)の存在を忘れてはなるまい。新政府軍に諸藩から
どれだけ集結していたのか、なかなか知る機会も少ないだろう。
なのでこの企画展ははっきり一般函館市民には荷が重い、
そんな気もしてくる。でもいい機会。
そもそも荷の軽い展覧会なんてない。
姫路城を理解する過程といっしょで
こんなアプローチがいいかもしれない。
人名から覚えていく。どこ出身の何をした人か。
箱館戦争関連で何人の重要人物をインプットできるか、
数で迫っていく。
その点では26か所の「リトファスゾイレ」と密接に関連付ける
ことが可能だろう。
情けないことにこの日、愛用のカメラが最後に故障して
ショックだった。この記事の画像は愛機の「遺作」である(笑)。
1時間ほどじっくり企画展を記録して、最後に出口で
スタッフにこう聞いた。
「150周年のリトファスゾイレについてわかる人~」
予想通りわかる人はほとんどいなくて、ひとりだけ
「あれは五稜郭タワーの企画なんで、そっちが詳しいです」
知っとるわ!
市内で連動してないコトを確かめただけじゃ!
つまりリトファスゾイレの設置場所、6/12の時点で
まだ明らかになっていなかった。
そのスタッフ、
「箱館戦争は旧幕府軍の品川沖脱走から始まっているので、東京にも
立つといいですよねえ」
他人事のように話しておった。
当初から10市町にまたがるというワードが聞かされていたので、
「みなみ北海道」というくくりがはめられなかったら、
かなり壮大になるだろうなと思ってしまった。
ほら、こういうチラシ(7/2-宮古の観光案内所でゲット)が
実在すると思ってなかったし。
某岩手県にゆかりのスポットが6か所点在しているのだとか。(詳細は裏面に記載)
ちなみに宮古市では2015年に新選組関連のイベントが催されている。
宮古については甲賀源吾という日本語人名と
アポルダージュというフランス語をさっそくググりましょうか。
そうして深まる。
函館市民が思う以上に、ソレは歴史上大きな事件で、いろんな
場所とゆかりがあるわけです。
ま、単に「歴史がキライ」で排除するのはかなり愚か。
それにしても…次のゆかりの地、早く行かねばならんな。
和歌山と愛媛、どっちを先にするべか。
まあ、2020年だな。ことしはすでに盛りだくさんすぎた。
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