「北海道・北東北の縄文遺跡を世界遺産に」…? まったく時期尚早だべさ
毎週欠かさずチェックしている、歴史家・磯田センセの番組
「英雄たちの選択」(NHK-BS103)にこのテーマが取り上げられるとはびっくり!
◆土偶を愛した弥生人たち~城門を弥生をつなぐミステリー(19.4.24.O.A.)
※再放送は19.5.1(8:00AM)
▲三内丸山遺跡(青森市)
ちょうど弘前タビの空き時間に小一時間ほど
青森市の三内丸山(遺跡)に寄ってきたので、
あまりのタイムリーさに親近感を覚えました。
テーマは縄文と弥生の境目。
教科書では簡単に
「大陸から稲作が伝わって弥生時代となり、
石器や縄文式土器を使っていた時代が終わった」
なーんて習うわけですが、その境目が面白い、という話でした。
登場した研究者(駒澤大学・寺前氏)によれば、
屈折型土偶(女性の座産の象徴)が簡素化されて、
東から西へ伝わった形跡があり、
単純に西から来たすぐれた文化が、日本列島を染めていった、
というのは思い違いという説を唱えていたのです。
考古学にストレートな正解、なんてありません。
このオンエアでは、まさに縄文文化と弥生文化の対比、そしてそれぞれの特徴が
詳しく取り上げられていました。
その屈折像土偶の代表が八戸市・是川縄文館にある「合掌土偶」(国宝)。
自分は18年3月、これを実際に見ているので番組MC杉浦由紀アナの
感動っぷりが他人事とは思えませんでした。
惜しくも南茅部の中空土偶(直上写真)は登場しませんでしたが、
縄文時代を何となく早期・中期・後期・晩期と分けて何年・何年と
暗記するだけの勉強ではいかに足りないのかがよくわかりました。
稲作が強烈に広がらなかった北東北・北海道だからこそ、
縄文文化(の影響)が最後まで残り、
弥生への染まりが薄かったわけですから、
そこにこそ縄文遺跡群の学術的価値があるのか!
と合点がいった次第。日本人のルーツ。
どっかの複数の政治家が経済効果だけの理由から
「北海道・北東北の縄文文化を世界遺産に」とか言っているようですが、
時期尚早。
その価値をしっかり理解し、広めてからでも遅くないと思いますね。
もう十年かけてしっかり啓蒙すべきでしょう。
世界遺産リストの順位の問題ではありません。
ハズしたくなかったら地元の意識をもっともっと高めないと。
これはブログでもずっと言っていることです。
そもそも八戸市の是川縄文館に縄文時代の年表がなくて「国宝」「国宝」と言っている
ことこそが問題なのは、三内丸山の充実した展示を見て初めてわかるのです。
合掌土偶の出土地は風張遺跡[1]で、八戸市の是川縄文館の展示には
是川遺跡との位置関係すら明確に語られていない。
これは南茅部の展示施設も同様で、国宝・中空土偶が発掘された
場所は現在保存されていないのでヒミツ…とか言ってる場合ではないわけ。
(ヒミツというより、案内係が事情をよく知らない???)
著保内野という具体的地名を出しておいて、南茅部地区および函館周辺の
縄文遺跡の分布(およびその時代)を俯瞰できないレベルで
なーにが世界遺産だと。
それにしても縄文が弥生に直接影響を与えた、という学説は
興味深かった。
縄文時代【晩期】の微妙なニュアンスが少しだけわかった気がしました。
(草創期)・早期・前期・中期・後期そして【晩期】。
次回は機会を作って、今度は信州諏訪へでもナマ土偶見に行かないとな。
いやあ、日本国内行くべき場所がいっぱいだぜ。
いつまで経っても真剣に縄文遺跡の普及に尽力しているのは三内丸山だけなんだな。
青森県にオンブにだっこの関係各自治体の皆さん。
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