これまでに何回か
「おまえなんか鳥でも撮ってろ」的なコメントがついたのを
記憶しているんですが…。
ブログ上で鳥撮りジャンルは以前と比べて意識的に減らしているけど、
それをしっかり覚えているあたり、
このブログのかなりのファン、らしい。
それにしても「鳥でも」。でも、とはかなりの無知爆発。
ブロイラーだって、セキセイインコだって鳥だぜ???
実はその気持ちもまったくわからないわけではない。
コメント主があまりに無知なるがゆえに「識別」できないだけで。
2019初タビ、石川県編でもこんなことがあった。
片野鴨池(加賀市)にある鴨池観察館。
あとで詳しい前後関係が出てくるので、ここでは困ったオトーサンについての考察。
だいたいフィールドで野鳥を撮っているのは高齢者。そして男性。
まあ自分もその範疇ではあるが、定年退職してヒマにならないと、この趣味はできないようだ。
いわゆる環境条件、という奴である。
ただその手前で潜在的資質が養われていたかどうかで、痛さの強弱は大きく違う。
だいたいにおいて、立派な機材を所有し「撮影」>「観察」というスタイルがひとつ。
暇にまかせて「散歩」>「撮影」というスタイルがもうひとつ。
このほかコレクター気質から、「珍鳥」画像収集家というのもいる。
自分のバアイ、このすべてを含み「撮り鉄」ならぬ「鳥鉄」(旅撮り、旅×鳥)という
ジャンルではないかと思う。ま、これについても詳細はここで語らない。
さて、石川県で会ったオトーサン。午前9時すぎ。
加賀温泉駅から乗車したCAN BUSに乗客は自分を含めてたった3組。
お母さん&息子(インバウンドの親子)は月うさぎの里(ウサギを飼ってる施設)で
降りるという。いたってノーマル。
ナントもうひとりは60歳代ぐらいのオトーサンで
自分と同じ鴨池観察館で降りるのだと。へえ。同好?
しかしながら、同好だとしても、決してコミュニケーションを取らないのが
このテの人物。彼は観察館に入館するなり(入場料310円)、
「バードリストはありますか?」とスタッフにリクエスト。
はあああああああ???????
目の前にたっくさんの数千羽?のカモの群れがいるのに、観察する前に
リストはないのか、だってさ。まず何がいるか観察しなさいよ。
見つけるのが面白くないの?(面白くないんだろう)
でもって、珍しいことにカメラをお持ちじゃない。
館内設置のフィールドスコープひと筋。
まあまあガラス越しではカメラがあってもクリアに撮れないわな。天気もよくないし。
池の周囲は完全に封じられていて、おまけに全周塀と丘に囲まれている。
そういう特殊な場所なので特殊なカモが来るのだ。
それでもオトーサン、2時間は見ていた。
自分はというとレンジャーさんが連れてきた見学の地元の小学生たちを
ひとしきりいじったあと、さらに1時間以上レンジャーさんと話し込んでいた。
↑小学生には「パンダガモ(ミコアイサ♂)見つけられるかな~」的な
まあ、聞こえるように情報交換していたとも言える。
オトーサン、一切口を開いて参加することはない。
何しに来たのかな? こんなところまでわざわざ。
そしてここ数日のバードリストには「クマタカ」とある。
山地に暮らしていてめったに姿を現さない猛禽。
たしか道南も恵山付近に1羽いる、という。
早い話がうじゃうじゃいるオジロワシなんかと希少度が違うわけ。
↑この時期、行くたびに会う函館のオジロワシ
「最近、毎日クマタカ来るんですよ。今日は何時?」とレンジャーさんが
もうひとりのスタッフに質問。聞かれた彼女は「7時台でしたね」。
開館前じゃん。レンジャーさん!
「そうか、出勤前だったか。出現時間が一定しないな」
クマタカが1日1回必ず来ても、行ったときに会える保証はなし。
バードリストってのはそうして細かく読み込まないといけないわけ。
かわいそうに、圧倒してしまいました。
こうした漠然とした鳥好きが実に多い。
ただ「ヒマになったから始めた趣味」レベルで進歩がないのだ。
函館で知っている人の中にも何人もいる。
「こないだ、○○見たんですよ」というと
「図鑑持ってないのでいても何の鳥か見分けられない」
というオトーサン。そういう人に限ってカメラが立派。
そして図鑑は買わない。ネットでも調べられるけどその気はない。
結果的に一方的な自分のジマン話に終始。
で、彼らの参考には一切ならない。
2019初タビの最終日、皇居のお堀でこんな写真を撮る。ヨシガモ。
いままで6回も会ったが近い場所でしっかり撮れたためしがない。
たぶん皇居のお堀のヨシガモが日本で5本の指に入るほど人馴れしており
こちらに向かってヘーキで泳いでくるほど。
おまえらは鮫川のカルガモか!!!
そこでも大きなカメラで撮っていたオトーサンに、
「ヨシガモがこんだけ近い場所も珍しいですよね?」と聞くと
意味がわからず目を点にしていた。
なーんにも考えてない、というかもはやコミュ障である。
特に東京の鳥撮りにはそういうタイプが多く、
あるときはオオジュリンを「コゲラですか?」と言われ、
東京湾で越冬することで有名なハマシギの群れを
「名前知らないで撮ってる」と胸を張られたこともあった。
なかなかひどい。
野鳥は非日常を気軽に楽しめる格好の素材。
こっちの都合など関係なく向こうの都合で生きている。
野生だから。
でもヒトの暮らしがあって、ときにそれを利用して暮らしている。
しかもそれが土地土地で特徴的で異なるから興味深い。
そうそう、皇居のお堀に行ったもうひとつの目的はカモメだったのだが、
カモメも休憩時間の事情があるらしく、お目当てはさっぱり見つからず。
そう思っていたら、餌やりおじさんがコブハクチョウを
「餌だよ~」と手を叩いて呼ぶや否や、ユリカモメが20羽ほどどこからか集まってきた。
目的のカモメはユリカモメ、じゃないんだな~。
日々、餌やりおじさんに世話になってるユリカモメ。
人間を見れば「あんた、餌のヒト?」という目で見る。
夏になる前に北へ飛んでく渡り鳥、野生のくせに、である。
というわけで、知らないとなーんも面白くないのが生物観察の世界。
「あんた、餌のヒト?」
「ちゃうわ。何考えとんねん」…ユリカモメとのアイコンタクト。
専門家によれば、
言葉の通じない相手とのコミュニケーションは人間サマの脳にも効くそうですよ(笑)。
さて、今回は野生のイキモノと人間がいかに共生しているか、という話。
そんな世界になーんも興味がない、ヒマヒマな鳥撮りオトーサンの話なのである。
まあ、人間、他人に迷惑かけなければ、どう生きようと自由ですけどね。
より幸せなほうがいいと思うのは自分だけ? 欲張り?
おっと最後に金沢の兼六園でカワセミを発見。
グリルオーツカに写真があったのでもしかして…とは思っていたが。
となりにいた若い二人組に「ほれ、カワセミ」と見せたら
まずカワセミが鳥だと知らなかったようで「鳥、ですか」
「よくわかりましたね…」
鳴いたからわかるんでしょ? カワセミが好きそうな水面に張り出した枝でしょ?
それにしても「知ること」に限界はないんだよなあ。
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