異常なり札沼線…JR北完乗への道(2)
桑園~新十津川間84.2kmを結ぶ札沼線。
18年3月のダイヤ改正で新十津川発最終は午前10時00分。
浦臼~新十津川が1日1往復に減便になった時点で、「札沼線」としては
すでに死に体である。
実質的には愛称:学園都市線としてとしか存続していない。
象徴的な事実がある。
始発は桑園の隣駅の札幌駅。ここから北海道医療大学(駅)までが電化区間。
よって札幌から終着駅・新十津川までの直通列車は存在しない。
札幌~石狩当別はE721系。そこから先はいつものキハ40系となる。
象徴的、と言ったのは駅の附番がこのいわゆる「学園都市線」の終点・北海道医療大学
(G14)までしかないのである。
北海道医療大学より先の沿線市町村は、月形町、浦臼町、新十津川町。
3町あわせた人口は1万2千人。
数日前にも書いたように、1日1便に減便された時点で、
浦臼、新十津川の両町は公共交通はバスで滝川(函館本線)に接続する、
と割り切っている。
月形町は岩見沢(函館本線)へバス路線。
札幌という大都市に出るのにどれだけ便がいいか悪いか、という話に尽きる。
この日(18/6/26)、月形町の社会福祉協議会の主催で地元の高齢者たちが
「札沼線に乗るツアー」(おとなの遠足)が開催されていて
月形町長さんが同乗されていた。
「月形町には刑務所があるんです!」
そこを強調されていらっしゃったが、町の人口は服役者を含み先の人数になるわけである。
「札沼線存続を掲げて当選したが、新十津川がすでに白旗を掲げているので、厳しい」
もはや3町の足並みは揃わないのである。
それにしても電化された札幌~北海道医療大学はドル箱路線、その先は閑散度道内屈指
とは異常である。
そしてもっとも感じたのは石狩平野を進むこの路線には秘境感が漂わないのである。
「1日1往復が珍しい」ただそれだけ。とても不思議な感覚だ。
そもそも新十津川の先、石狩沼田(留萌本線)まで通じていたから札沼線というネーミング。
留萌本線も深川~留萌間のバス転換が検討されている。
70~80年代の赤字覚悟の路線拡大がいかに先を見通していなかったか、もちろん地元民も
高度成長期の夢を見続けていたか、がわかるのである。
午前6時58分、札幌発を石狩当別で乗り換え、新十津川駅に降り立ち、
バスに乗り換えるために新十津川役場のバス停へと向かう。
経由違いの2本のバスが接続30分弱で接続している時点で、違和感は禁じ得ない。
この違和感こそが他所にない「旅のノスタルジー」なのかもしれない。
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