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2017年12月 8日 (金)

静かに終焉を迎える「イカの街」函館

そもそも仕込み?は11/13オンエアのHTB「イチオシ」の

ミニ特集・北海道150年の中の企画「なぜ函館はイカの街になりしか」でした。

なんと番組のオチは

「栄えていた北洋漁業が衰退して、残ったのはイカしかなかったから、イカに

特化した」

という画期的なものでした。

そして締めのコメントが

「不漁を伝えられる函館のイカ漁ですが、来シーズンこそは大漁を期待したいですね」

他人事感満載なのは北海道ローカルとはいえしょうがないことかと思いつつ、

函館市民も「そうだよな」と思っただけなのでは?

という思いがよぎりました。

160218ekini_ika2

時を同じくして11月の中頃、いつもの川村鮮魚の移動販売が早朝の街中を

走っていました。おや?と思ったのは

「イカ、イカ~」以外に

「キロ1000円」だとか「筋子やタラコもあるよ」なんてアナウンスしているのです。

そういえば、去年の夏、川村鮮魚のおばちゃんに

「(不漁で高値でも)キロ1500円より上げられないし、

これじゃ儲けが出なくてやってらんない」なんて

直接聞いていましたからね…。

160803kawamuraf1

ことし(2017年)は前年よりもいくらかマシという話も聞くし、

売値が安くなっているのなら、

不漁を伝えられるイカ漁ですが…は最新情報ではないんじゃないの?

と思った矢先に、

2017年11月の市水産物地方卸売市場のイカ取扱量が報じられました。

「スルメイカ、11月に漁獲量失速…」

なんと11月単月で前年同期比75%減とか。

4カ月ぶりに前年同月を下回った、とのこと。

これで2017シーズンのマイカ漁は、漁獲量で前年比111%。

ところが、金額ベースでは前年比93%…。

これまで不漁な魚種は価格が高騰し、漁獲量減の割には、金額面での

打撃が少ないパターンが一般的でしたが、

ここにきて「高いイカなら要らない」という方向へ舵が切られたように

見えます。

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水産加工業界は長期の不漁によって経営環境が悪化し、イカ離れが

起こっているのが現実で、函館市民・道南地域の消費で支えられる

段階ではなくなっているというわけです。

食文化としての夏イカ、朝イカの衰退も顕著ですが、

このままで行くと表面だけの「イカの街のふり・函館」という

状況が進むことでしょう。

かくいう自分も、つい最近まで

「函館のイカは新鮮さが違う。イカ刺しは朝食で」と思っていた

わけですが、

川村鮮魚さんのサイトによれば、

「生け簀イカは船上の生け簀に入れて港に運ばれたイカ」

「朝イカは生け簀に入りきらず、朝食で消費するイカ」

なのだそうです。

つまり生け簀イカがどの時点で生け簀から出されるのかは

一概にいえないわけで、店頭で水槽から出すところをわざわざ「見せて」

捌くイカ刺しはビジュアル的な付加価値つきというだけの話なわけです。

だからこそ「鮮度が読める」のは朝イカのほうなのでした。

またこうも言われます。

「夏イカ(真イカ)が身が薄くていちばんおいしい」

真イカの漁期は6月から翌年1月ですが、すでに旬は過ぎ、

不漁でも朝イカのニーズは終わったということも言えます。

そんなイカの基本を知らない函館市民も増えているのでしょうね。

地元での消費量が落ち続けそれでも、

「イカの街のふり」を続ける函館…

観光的にはそれしかない函館…。

ちょっとシャレにならない事態だな、と。


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