函館山は「野鳥の宝庫」説を追う=第二回=
カメラと双眼鏡を持って登山道を歩いていると、何十人かに一人の割合で
声をかけられます。「鳥、いますか?」
こう聞かれると答えます。「いますよ、いろいろ」
何がいるかが問題です。
10月の前半にアオジばかりが足元の笹薮に隠れていた頃、
おばちゃんたちががやがや集団で登ってきて、
「何がいるんですか?」と言うので
「なんかアオジばっかりいます」と答えると、
「あらあ、見てみたい」
そこまで登って来る間にもたくさんいたはずです。
おしゃべりに夢中で気づかなかっただけです。
チッチッと鳴きながら、登山者の進行方向へ進行方向へと逃げていく
地味~な小鳥がアオジです。春先には♂が縄張り宣言をして目立つ場所で
囀りますが、まあ秋は地味を絵にかいたような小鳥です。
「鳥、いますか?」「何がいますか?」と関心を持たない最大の理由は
名前を告げられてもわからないから、らしいです。
そこにすべての根源があるのだと思います。
知らない名前でもそれってどんな鳥?と思うことからすべては始まるわけです。
函館山登山者の何割が函館市の鳥ヤマガラを知っているか、一度調べて
みたいですね。まあ低く見積もっても山頂までの登山の3回に1回は出会っている
はずで、声だけならほぼどこかで毎回聞こえています。
↑餌を拾っているアトリ(右)を撮っていたら、急に割り込んできたヤマガラ。割り込んでおいて、自分でびっくりしているようです。アトリの呆然とした表情が印象的。
ただ山まで登らなくても見晴公園で普通に見かける、とそういう話です。
というわけで、野鳥観察は基本種を知ることから始まります。
頻繁に出会う鳥たち、つまり年中見られる野鳥、留鳥を知ることで、
時期時期の渡り鳥、夏鳥・冬鳥のレアさかげんを知るに至るわけです。
登山道途中のボードに留鳥として紹介されているのは、この8種。
シジュウカラ、ハシブトガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、コゲラ、トビ
ハシブトガラス、ヒヨドリ。
ふれあいセンター入口のボードに「いま見られる」と写真が貼ってあったのが
シジュウカラ、ハシブトガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ、コゲラ、アカゲラ、
ヤマガラ、ヒヨドリ。
ハシブトガラスはカメラマンが見向きもしないので「日本野鳥の会」から
写真を借りているところが笑えます。
はっきり言ってこの留鳥のラインナップはまったく魅力がありません。
どこにでもいる鳥ばかり。ハシブトガラはなぜか市街地では少ないですが、
それ以外を見るために函館山、はありえません。
ところが函館山にこんな留鳥もいるわけです。
シマエナガ。
撮影できないです。
アカゲラに似たオオアカゲラもいます。
秋から冬にかけてはカケスも多くいます。
これも渡り鳥ではありません。
撮影難易度が高くかつレアな留鳥はキクイタダキ。
シマエナガを上回る落ち着かない動きをする全長10cmほど日本最小の小鳥で
うまく撮れたら達成感を感じる鳥です。
ほかに思いつく留鳥といえばミソサザイやキジバト。
ミソサザイは冬になると高いところから移動してくるタイプの留鳥で、
函館山では冬の鳥。藪のような暗い場所が好きなのでこれも撮りにくい
野鳥です。
↑登山道を鳴きながら横切っては藪に隠れるミソサザイ。まるで忍者。
このほか、松倉川周辺で通年見られる野鳥と比較してみると、
函館山で見られないのはスズメ(麓にはいます)、ハシボソガラス、
オオセグロカモメ、ハクセキレイ、ドバト、カルガモぐらい。
留鳥30種?
20種弱しかとても数えられません。
渡り鳥じゃないのに珍しすぎてめったに見ない留鳥?
クマゲラ?
これは函館山マイスターの木村さんも、もう最近見ないと
番組で言っていましたから、数えちゃいけませんね。
函館山絶滅種、もいるのかもしれません。
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