そして気がつくと目の前の現実から遊離している…
いくら愛にあふれていても、個人の力ではもはや及ばない…
いや手遅れというケースもあります。
時代の流れに逆らってもどうにもならないというケース。
決してあきらめてはいけないと思うけれど、できるのは見送ることだけ。
そんな悲しいケース。
先日BS朝日「空から日本を見てみよう+」で三江線・最後の夏を
前後編でオンエアしていましたね。
空撮観光という新たなジャンルを切り拓いた旅?番組がなぜ鉄道系の企画を?
そう思いながらの視聴。
昨今JR北の路線存続問題が話題だが、このJR西日本のローカル線、
三江線(島根県江津~広島県三次)は、採算係数でいえば、相当な
数字らしいです。ほとんどの駅が1日の乗降者数1桁。
もはやテレビ番組として途中下車企画は成立しないほどのダイヤ。
1日の運行列車は上下8本。起終点営業キロは108kmで、
通し運行は1本のみ。約3時間で結ぶので、函館~長万部ぐらいの
距離と所要時間と思えばイメージは近い。
実際には中間点の浜原を境に運行列車は1日上下各5本。
ただし、起終点が地方の小都市なので、県庁所在地へ向かうためには
両方向ともさらに乗り継がねばならないということです。
(早朝に広島発で高速バス併用で深夜帰着なら周遊可能という難易度)
番組では2018年4月にこのローカル線が廃止されることを
沿線住民に取材していたわけですが、ほとんどの人間が廃止を悲しむいっぽうで、
「最近はほとんど乗らない」と答えていました。
人によっては「乗っていたのはン十年前」と。
不便だから乗らない。でも廃止するのは悲しい。
よくもここまで廃止せずに来たものだというように見えますね。
自身の旅経験をひもとくなら、
15年秋、東京から寝台特急サンライズで山陰へ。
山陰から広島へ抜けて伊丹から函館へ帰る旅をしたわけです。
このときの切符は三江線を経由する切符。
この経路を切らないほうが運賃が安いので、
意図的に乗らない区間を行程に設定しました。
石見銀山を見学し大田市から江津まで乗り、乗り換えたときの
写真がこれ。(この先は水族館のアクアスへ)
時刻表が旅の記念になるって(笑)。
そしてそのまま山陰線を設定経路外の別料金で乗り継いで
波子(はし)を経由して浜田まで乗りました。
いま、北海道内の未乗車区間の踏破プランを練っているんですが、
ただ乗るだけ、にしてもどうにもうまくつながりません。
高速バス網って乗車率の低下する鉄道ダイヤを補完しながら
張り巡らされていることがよくわかりますね。
行きはバス、帰りはJRという全線踏破プランなんて、いかがなものでしょうかね。
札沼線全線踏破のために札幌から終点まで、終点から札幌まで往復5時間、
途中下車もせずに乗り続ける旅に意味がありますかね?
室蘭線(沼ノ端~岩見沢)、石勝線夕張支線(新夕張~夕張)、
根室本線(新得~滝川)は無理しても1日では踏破できない不便。
こうして考えると不採算路線廃止に伴う地元の不便は真実かと思います。
JRが廃止になってもならなくても、すでに不便でもう変わらない。
鉄道がなくなれば町がますます寂れる、という論理は
ほんとうに正しいのかと思いました。
少なくとも郷土への愛と、交通路線への愛はどうやら別っていうのが
現実なんでしょう。
…と思っていたところにNHKでナイスな旅番組の再放送がありました。
まだまだ、人々のカン違いは続くようです。
まるで、このブログがトレースされているみたい。(実際には逆ですが)。
↑すでに列車が走っていない留萌本線の終着・増毛駅。15年11月撮影。
なんと、駅舎を増改築するそうです。
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