奉行所の500円、タワーの900円
ここで出しておかないと忘れてしまいそうなので。
愛のない函館ネタ、リベンジ?バージョン。
いいけど、自分も箱館奉行の名前、ろくに知らないよなあ…反省
とか書いたら、コメントいただいたんですよね、通りすがりの方から。
五稜郭築造を進言したそもそもの人物は誰だったのか。
その当時、どんな立場で誰に進言したんだ?という話。
わかるようになっていなかった気がして、再訪。
そもそも焦点は五稜郭が港からの官軍の砲撃に戦意喪失して
籠城すら不可能な役立たずだったことです。
あくまで結果論ですけどね。
誰が大枚はたいて、こうした無用の長物を築造するに至ったのかと
そのザンネンな部分こそが五稜郭のキモでしょう。
館内の係と思しきお姉さんに、ぜひ築造の経緯をお聞きしたかったのですが、
元町の旧奉行所が無防備で移転が必要だったこと、
設計者の武田斐三郎が1855年に入港した仏艦の将校から
北フランスのリール城塞の設計図を見せてもらって参考にしたことを説明すると
いつのまにかいなくなりました。こっちが詰め寄ったせいもあるんですが、
展示室から逃走。いやわからなかったら、詳しい人を連れて来ればいいんですよ、別に。
リール城塞っていつの時代の建造物??? 17世紀、ですよ?
なんでこんなもの作っちゃったの?
そう思うはずなんですが、思わない。
正解はひとつじゃないにせよ、そこが歴史の面白い部分でしょうに。
そういや、ある観光番組で出演のタレントさんが関係者(奉行所の館長?)に
「なぜこんなものを造ったの?」と質問したら、
「一流国として日本の威厳を見せたかったのでは?」と答えていましたね。
ほかにも「北方警備のため」などという説明も聞きますが、
北方警備のために置かれたのは箱館奉行という役所組織であって、
五稜郭はその奉行所を守る土塁。
平面的な五稜郭が直接北方警備の役に立つわけないでしょう。
そもそも当初は、幕府は資金難で五稜郭築造に20年かけると言っていたわけですからねえ。
突貫工事で造ったらこのありさま。中の立派な奉行所も使用したのは4年?
明治維新後はそんなもん要るか、で
完成から7年足らずで解体。いやあ幕末の大いなる無駄遣い。
ただし、このときの大いなる無駄が見事に観光資産としてよみがえったわけですから、
そこんとこが函館の真骨頂ですけどね。
それを言えば函館山だって50年の長きにわたって、軍の要塞でしたが、
展望台に作り直したおかげで世界を代表する三大夜景になりました。
一般人立ち入り禁止だったおかげでかなり自然が残されていたり、
廃墟好きに注目を浴びたり、副次的な効果もあるわけで、
負の遺産を逆手に取るのは昔から函館の得意技なんじゃないかと。
昭和九年の大火もそうです。
転んでもタダで起きない。そのうち倍返し、みたいなバイタリティ。
「こんな広い家に住んでみたい」とか「函館の函って、昔は箱だったんだ」とか
観光客に思わせて500円取るのは、ちょっと悲しい気がしています。
入場料500円の奉行所と、900円の五稜郭タワーだったら、断然後者のほうが価値が
あります。展望だけでなく展示物込でね。
確かにその通り!と函館市民の皆々に賛同されないところにまた
愛のない函館があるんですけどね。
観光客じゃないからタワー行かない、900円もったいない、
って言いますもん(笑)
いやあそれにしても、五稜郭タワーに負けない観光ガイド、を奉行所にもちゃんと
置いたほうがいいと思います。あまりに勉強不足。
問題はそこが以前と比べて「修正されていない」ところ。
この「はこだて人」の修正力のなさを
ここでは「愛の不足」と例えている、わけです。
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