まずは7/11付の函館新聞から。
ことし2月に初めて行われた「はこだて美食フェスタ」、
動員数が想定を大幅に下回ったことを受けて、企画の見直し、が
発表されたそうです。
販売アイテムの単価の問題や、テイクアウト対応などを
改善する予定だとか。
タイトルも「はこだてフードフェスタ」に変更。(会場は函館アリーナ)
「函館は食べ物がおいしいイメージ」が強いのはわかりますが、
「美食」の定義がよく伝わらなかったということだそうです。
ちょうどこのブログの裏テーマに回帰したところだったので、
ジャストなニュースでした。
自分が思うに、
「美食」=ごちそう
だと思うわけです。
ただし。
ごちそう=「美食」
ではない。
「ごちそう」のほうが定義が広く「美食」とはその一部。
ここ2年で市内の飲食店をそれなりに回りましたが、
まあ演出が下手。
これ料理人の腕の問題ではありません。
食イベントに関する限り、来場者のターゲッティングこそが問題で、
まさに「はこだて未来館」(駅前キラリス)の失敗と同質の弱点が
垣間見えます。
函館市民自身が函館市民自身を理解していない。
しようとしていない。
これがわが街の最大の特徴。
だから長きにわたって愛される飲食店が意外と少ない。

↑梁川町のプチコションのランチの一皿。
採算度外視の趣味の店は別にして、
店主のひとりよがりが実に顕著。
まあ、それもいいんです、一度入店させてしまえば。
それすらかなわない。
「営業中」「CLOSE」の意思表示すら
ままならない飲食店が「地元で愛される店」となっていくのは
かなり難しいと思います。
きのう掲載した2007年の飲食店の写真。
実は「レストランバスク」も含んだ半径数百mの範囲に
点在する函館を象徴する迷店3軒のメモリーでした。
のちにバスクは再訪することができ、迷店疑惑は晴れましたが、
残りの2店舗は見事に消滅しました。

↑バスクの「小イカのスミ煮」
別に自宅を改装した居酒屋でもかまいませんが、
看板料理が「ウインナー」には衝撃を受けました。
いいんです、向こう三軒両隣に受けが良くて続くのなら。
ブログ主本人の感性といかにズレていてもかまいません。
話をいったん「ごちそう」の話に戻します。
ブログ主が小学生の頃、駅前の拓銀ビルの7階に
五島軒のレストランがあり、1か月か2か月に1回、
よく連れて行ってもらいました。よくある家族揃っての外食。
そういった経験値で言うなら、
「うなぎ」「天ぷら」「とんかつ」は子どもにとってごちそうでしょう。

↑市内にもうなぎの美味しい店、ありますよね…(写真はたかはし)
でも大人になって自分で稼ぐようになったら、
その気になればいつでも食べられます。
でも実際にはそんなに食べません。
スパゲティがパスタと言い換えられて久しいですが、
ナポリタンやミートソースはごちそうでしょうか。
カルボナーラやボロネーゼならごちそう?
ピザも同じです。
あんかけ焼きそばがごちそうという説もあるようです。
ハンバーグやカレーもすっかり日本人の日常食。
これらをごちそうと思っている人はどれぐらいいるでしょうか?
さすがに函館の老舗五島軒でも、いかに看板メニューとはいえ、
カレーを目当てに訪ねるのだとすれば理解ができません。

↑五島軒・ポークコートレット・ハニーマスタード風
そういう方々には「日本のおいしいカレーベスト10」を
ちゃんと自分なりに格付けしてほしいものです。
こうして日常食とごちそうの境目がはてしなく不明瞭になっている
現状で、外食に何を期待するのか、ということになります。
もしそれが家事からの解放なのだとしたら、次に気になるのはCPでしょう。
とてもとても美食を評価できるレベルではありません。

↑おいしいハンバーグもありますが、付け合わせもお店の「個性」と思うんですよね。



函館駅から大門へのメインストリートも居酒屋ばかり、と
どなたかが嘆いてらっしゃいましたが、
ファミリー層の外食ニーズが消滅してから久しいですから、
手ごろな洋食屋さんや食堂が生き残れるわけがありません。
せいぜいラッキーピエロ。
付近でときどき外国人観光客に
「夕食摂るならどっちへ行ったらいい?」と聞かれることが
ありますが、
「電車通りにはシーフードレストランがよりどりみどりだよ」
としか答えられません。
そこに地元民お薦めの店はなきに等しい。
街の現状をふまえれば、
大門の飲食店が地元民を取り込むことを諦めていても
責められませんけどね。
とにかく客がいないから。
「ひかりの屋台」で昼営業は何店あるでしょう???

さらに言えば本町近辺でも状況は変わらない。
ハコラクも含めてフリーペーパー等にも新規開店、リニューアル開店が
常に掲載されていますが、昼営業をしている店は3割あるかないか。
函館市民はそんなに外飲みするんでしょうか。
昼と夜とで客単価が違うことを考えれば、そりゃあ経営効率も
考えるわけです。
いわゆる繁華街に地元に愛される店が育たない要因が顕著です。
そして住宅街には割り切った店しか残っていない。
今回の「HO」の特集掲載で気になる店があったので、
昼どきを狙って店の前を通りかかりました。
確かに「営業中」という看板はありましたが、それ以外の情報は皆無。
まあ雑誌を見ているわけで勇気を出せればよかったのですが、
ウェルカムの雰囲気を感じ取れずスルーとなりました。
そこからすぐのところに未訪問の和食店があったのですが、
そこも暖簾が出ておらず、定休日ともありませんでした。
そこも以前雑誌で見ていますが、
掲載されても店の活気に変化はないようです。
もっと掘り起こしていけば、そりゃあ渋い喫茶店のランチも
見つかるでしょうが、「わざわざ行く価値」を考えると
最近はついつい尻込みしてしまいます。

↑数行った中には喫茶店のお値打ちランチもありました。ただ近くないのでリピートしないんですけどね。それもひとつの「答え」かも。

とりあえず必要に迫られたときの引き出しは確保しておきたい
とは思いますが、喫茶店のコーヒー付ランチ1000円を
お値打ちと思える金銭感覚を持ち合わせていない、
というのが正直なところ。
これ、ランチ800円、ランチ注文時、セットの飲み物プラス200円なら
印象が違う気がするんでしょうけど。
愛のない函館の悪循環、もう少し続きそうです。

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