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2017年6月14日 (水)

北海道新幹線開業効果はやはり限定的だった?PART1

さてと、今度はいまのところ公表されている

上半期のデータだけで函館周辺自治体の

観光入込客推計を論じます。

2016年3月に北海道新幹線が開業して以降、

さまざまなニュース番組でも取り上げられて

いましたが、やはり

人の流れが変わった、開業の影響は大きい、

初年度の勢いをどこまで継続させられるかが重要

などの報道がありました。

上半期だけの比較、

2015年4~9月と2016年4~9月の

入込客推計の比較です。

(基本は前年比%、前年の数字が小さいと%が大きくなります)

2016dounan0409all

雑に見ると、ほとんどの自治体で北海道新幹線効果で

入込数が増えている、と見えるかもしれません。

ところが道外客・宿泊客のデータを見ると、

そうも言えないことがわかります。

まず道外客の比較。

2016dounan0409dogai

続いて宿泊客数。

2016dounan0409shukuhaku





とりあえず(駅がある)沿線の函館市・北斗市・木古内町と

七飯町・森町、そして観光地としても期待の高かった

松前・江差に思ったほど観光客が流れていないことがわかるのではないでしょうか。

(ただし七飯町の日帰り率は低下、宿泊客は増)

昨年の夏は実感を深めるために渡島檜山の全自治体に行ってみました。

現地での雰囲気とこの2016年上半期の入込数推計はかなり符号している

ように感じます。

まず、特徴的なのは「道の駅」効果。

昨年完成した「しかべ間歇泉公園」への入込数上昇による

鹿部町の数字の変化を見るとわかります。

入込数前年同期比240%!!!

ただし道外客入込数前年同期比117%…

道外客比率は前年の8.0%から3.9%へ大幅ダウン。

北海道新幹線とは関連性が薄いことがわかります。

いっぽう木古内町。

ここは道の駅が新幹線の駅前にあり、幹線道路「沿い」ではありません。

2016年1月に新幹線開業に先んじてオープンしたわけですが、

入込数前年同期比905%!!!

ただし道外客入込数前年同期比1305%!!!

道内客も前年同期比833%で

道外客比率は前年の12.8%から19.7%へ上昇。

メディアに何度も取り上げられたこともあり、

渡島11市町中最下位の入込が森町に次ぐ5位へ一気に躍進。

この部分は疑いもなく新幹線効果。

ただし宿泊施設がほとんどないので日帰り率が99%!

この数字は渡島檜山18市町中トップです。

入込数急増と日帰り率上昇の相関関係がわかります。

続いて北斗市。

入込数は前年比119%。

これは間違いなく大失敗です。

新幹線で移動した観光客が、入込をカウントする

ポイントを通過せず(下車することなく)

JR移動したことを示します。

ただし道外客入込数前年同期比722%と

言えば立派に見えますが、

道内客入込数は前年同期比101%。

渡島檜山で下から数えたほうが早い。

道外客比率は前年の3.0%から18.4%へ

上昇しているわけですが、前年度の3%では

道外から観光客が来ていないのといっしょ、

だったわけです。

木古内町の同じ数字を見てみるとわかります。

木古内町でも前年12%ありました。

木古内は新幹線開業以前も

JR江差線経由で津軽海峡を渡ってくることが

できましたからね。

渡島管内で道外客比率がもっとも高いのは

七飯町で70%。

北斗市の18.4%は前年の6倍になって

ようやく11市町中、

鹿部、福島、森、松前に次いで

下から5番め。

課題は多いと見ます。

2017年3月にようやく新函館北斗駅前に

ホテルが開業しましたが、2016年上半期の

日帰り率は渡島管内で3位。

素通りパターンが確定しています。

長くなったので続きは次回。


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