ブラキストンラインよりも感動するんですけど…
明治の昔、トーマス・ブラキストンが提唱した動植物分布の境界線。
津軽海峡に引かれているという見えない線ですね。
函館の住人なら当然知っている単語です。
ヒグマは本州にいないし、ニホンザルは北海道にいない、
っていうアレです。
別に専門家じゃないのでくわしくはありませんが、
津軽海峡を隔てて行き来できなくなった野生動物が
固有の進化(とまで大げさじゃないけど)をとげた
とそういうニュアンスです。
日本列島を北上して移動してきた種が青森で行き詰った、
もしくは北方から北海道を南下してきた種が道南で行き詰まった
ということで境界線のブラキストンラインなわけです。
ニホンジカとエゾシカは近いけどちょっと違う。
ホンドリスとエゾリスも近いけどちょっと違う。
けっこう近い種類は多いので、なんかブラキストンラインって
偉大だなあ、よく気づいたなあ、と感心するところまでは
いま一歩なのが正直なところ。
で、野鳥。
なのですが、本州にいるコガラはハシブトガラに外見そっくり。
見分けるポイントはクチバシの合わさった部分が
ハシブトガラは白いのだそう。
食事中なら見分けることは不可能。
↑こっちはコガラのような気がします。あくまで気がします(笑)
でもそれを言うのは北海道だけ。
本州にはハシブトガラ、いませんから。
同じくこれはヤマゲラ。北海道固有種。
(函館市の鳥のヤマガラじゃありませんよ。「ゲラ」はキツツキの意)
でも本州にはアオゲラというそっくりなのがいるのです。
お腹の模様が違うそうですが、間違えることはありえません。
混在しませんからね。
そんなことより、水鳥じゃなくても野鳥はみんな津軽海峡を
平気で往来しています。
キツツキ類なんかは長距離飛行を苦手とする、というか必要としない
森の鳥なのでしかたないかもしれませんが、
いろんな小鳥が季節が変わるごとに北へ行ったり、南へ行ったり
しているのです。
見晴公園で群れていたマヒワやアトリ・シメは
見事な集団行動体質なので、季節の変わりめに
風向きを見計らって春・秋に移動しているのかと思いますが、
ふだん群れで移動しないタイプ、たとえば
ツバメやモズやキビタキやオオルリなんかも
ちゃんと季節が来ると海峡を渡ってきます。
青森側と北海道側で一旦集合してから解散するのでしょうか?
(そのようですよ?)
意外と野鳥の生態ってわかっていないようです。
というかなかなかわかりようもないみたいですけどね。
その点、自然は偉大だなと思います。
ま、長距離飛行をする前は体力を蓄えるために、中継地に
短期滞在して、その先の繁殖地で三々五々の解散。
帰りも半年後に決められた場所に集合。松前の白神岬なんかも、
そういう集合場所なのだそうですね。
シギ類の中には毎年オーストラリアから移動してくる種類も
いるのだとか。もはや移動そのものが習性?
よほどの旅好きです。
またハシボソミズナギドリという種類も南半球からオホーツクの
あたりの北の海まで外洋ルートで長距離飛行するそうですが、
最初に成鳥の集団が渡り始め、その年に生まれた若鳥たちは
若鳥だけの集団で渡りにチャレンジするのだそうです。
そこで生き残れないと一人前になれないという
過酷な運命を背負っているのだそうです。
春から夏にかけて太平洋側で
大量に打ち上げられていることがあるそうです。
というわけでそういうタイプはほとんど陸地に寄らないので
フェリーを利用したり、船をチャーターして観察会をする方々も
いらっしゃるとか。
さて、道内で見かける夏鳥(冬鳥も)には、「ことしも御苦労」と
ひと声かけてから撮影しないといけませんね。
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