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2017年4月28日 (金)

ブラキストンラインよりも感動するんですけど…

明治の昔、トーマス・ブラキストンが提唱した動植物分布の境界線。

津軽海峡に引かれているという見えない線ですね。

函館の住人なら当然知っている単語です。

ヒグマは本州にいないし、ニホンザルは北海道にいない、

っていうアレです。

別に専門家じゃないのでくわしくはありませんが、

津軽海峡を隔てて行き来できなくなった野生動物が

固有の進化(とまで大げさじゃないけど)をとげた

とそういうニュアンスです。

日本列島を北上して移動してきた種が青森で行き詰った、

もしくは北方から北海道を南下してきた種が道南で行き詰まった

ということで境界線のブラキストンラインなわけです。

ニホンジカとエゾシカは近いけどちょっと違う。

ホンドリスとエゾリスも近いけどちょっと違う。

けっこう近い種類は多いので、なんかブラキストンラインって

偉大だなあ、よく気づいたなあ、と感心するところまでは

いま一歩なのが正直なところ。

で、野鳥。

161006hashib10

これはハシブトガラ。本州にはいないそうです。

なのですが、本州にいるコガラはハシブトガラに外見そっくり。

見分けるポイントはクチバシの合わさった部分が

ハシブトガラは白いのだそう。

食事中なら見分けることは不可能。

170419kogara3v

↑こっちはコガラのような気がします。あくまで気がします(笑)

でもそれを言うのは北海道だけ。

本州にはハシブトガラ、いませんから。

同じくこれはヤマゲラ。北海道固有種。

160725yamagera3

(函館市の鳥のヤマガラじゃありませんよ。「ゲラ」はキツツキの意)

でも本州にはアオゲラというそっくりなのがいるのです。

お腹の模様が違うそうですが、間違えることはありえません。

混在しませんからね。

そんなことより、水鳥じゃなくても野鳥はみんな津軽海峡を

平気で往来しています。

キツツキ類なんかは長距離飛行を苦手とする、というか必要としない

森の鳥なのでしかたないかもしれませんが、

いろんな小鳥が季節が変わるごとに北へ行ったり、南へ行ったり

しているのです。

見晴公園で群れていたマヒワやアトリ・シメは

見事な集団行動体質なので、季節の変わりめに

風向きを見計らって春・秋に移動しているのかと思いますが、

ふだん群れで移動しないタイプ、たとえば

ツバメやモズやキビタキやオオルリなんかも

ちゃんと季節が来ると海峡を渡ってきます。

160527kibitaki10

↑これは去年のキビタキ

青森側と北海道側で一旦集合してから解散するのでしょうか?

(そのようですよ?)

意外と野鳥の生態ってわかっていないようです。

というかなかなかわかりようもないみたいですけどね。

その点、自然は偉大だなと思います。

ま、長距離飛行をする前は体力を蓄えるために、中継地に

短期滞在して、その先の繁殖地で三々五々の解散。

帰りも半年後に決められた場所に集合。松前の白神岬なんかも、

そういう集合場所なのだそうですね。

シギ類の中には毎年オーストラリアから移動してくる種類も

いるのだとか。もはや移動そのものが習性?

よほどの旅好きです。

またハシボソミズナギドリという種類も南半球からオホーツクの

あたりの北の海まで外洋ルートで長距離飛行するそうですが、

最初に成鳥の集団が渡り始め、その年に生まれた若鳥たちは

若鳥だけの集団で渡りにチャレンジするのだそうです。

そこで生き残れないと一人前になれないという

過酷な運命を背負っているのだそうです。

春から夏にかけて太平洋側で

大量に打ち上げられていることがあるそうです。

というわけでそういうタイプはほとんど陸地に寄らないので

フェリーを利用したり、船をチャーターして観察会をする方々も

いらっしゃるとか。

さて、道内で見かける夏鳥(冬鳥も)には、「ことしも御苦労」と

ひと声かけてから撮影しないといけませんね。


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