【北海道新幹線開業半年】こちらは実感のないまだ遠い先の話=長万部町
ことし最初に長万部に行ったのは積丹へ向かう途中です。
長万部までは函館から路線バスで(1880円)、そこからJRに乗り換え通称「山線」を
小樽まで進行しました。このとき「長万部ってこんなにさびれていたっけ?」
そう思いました。
子どもの頃、年イチぐらいのペースで函館・札幌を往復しましたが、
帰りに「次は長万部~」と聞くと、もう半分以上来たんだ、函館もうすぐだ、
そう思ったものです。
トリップアドバイザーで長万部の観光名所を調べると、
ナント1位は「観光案内所」でした。
悪意ですね。初回はあまりに滞在が短くてよくわからなかったので正式な感想を保留。
二度目は「おしゃまんべ温泉」を試してみることにしました。
宿泊は丸金旅館。
これから長くなるので覚悟してください。記事をいったん区切ってよかった…。
当日の朝に予約を入れましたが、こちらの連絡先も聞かず。
「食事つきですか」と言うので「二食付きでお願いします」と答えたのは
確かです。
まずは導線。駅を出て左に跨線橋があるので、それを渡って10分ちょっと。
その知識はあったのですが迷いました。長万部駅着は18時07分。
特急北斗から降りたのは自分ともうひとりだけ。改札を抜けると、もう噂の
観光案内所は営業終了。駅のロータリーはほぼ真っ暗でさしずめ函館で言うと
夜の10時ぐらいの雰囲気。
もうあたりが薄暗いので迷いたくないので左折してメインストリートを行きました。
途中で間違ったなとは思いましたが、方向はわかっているので30分かけて
宿に到着。メインストリートを進んではいけなかったようです。
気になったので宿に着くなり、「地図はありますか?確認しておきたいので」
でも、自分がどんな遠回りしたのかがよくわかる駅からの地図はありませんでした。
じゃあ、早起きでもして10分を一往復して来ようと気を取り直して夕食。
夕食は部屋出しで満足いくものでした。ありがちな和風旅館で冷蔵庫がない
のは驚くに足りません。wifiも入るので、宿はこんなもんでしょう。
1泊2食8700円。
付近には旅館がかたまっていて、ミニ温泉街の様相。でも平日のこの日の宿泊は
自分も含めて四組でほかの旅館もそんなに賑わっている感じはありませんでした。
それも、気にしません。
客室係の女性に「おしゃまんべ温泉っていつごろからあるんです?」と聞いたのです。
すると「この旅館が50年だから、それより少し前?」
驚くべきことにこの旅館の玄関から10秒のところに記念碑があって、
温泉が発見されたのは明確に1955年と書いてありました。
予定通り、翌朝跨線橋を渡って海岸まで往復してみました。
跨線橋からは駅のホームがよく見えます。反対側は山線と室蘭本線に
分かれていく分岐点がよく見えます。
それにしても、
これは路地のほうでメインストリートではありません。
看板の大きさはA3ぐらい。
これじゃメインストリートからは真昼間でも見落とします。
おしゃまんべ温泉、来てほしくないの?
そう思います。
その理由は長万部駅から徒歩では来ないから。みんな自動車だから。
これも奥尻と同じ発想です。だってみんな自動車あるんでしょ?
もちろん自分たちの生活感からすれば、公共交通は利用しない、
のかもしれません。
これは温泉関係者の問題ではありません。町の観光への取り組みの問題です。
8/8にO.A.のBS-JAPAN「ローカル線聞き込み発見旅」で、
はるかに駒ケ岳が見える浜辺、が名所登録されたんですが、
散歩のついでに実地に行ってみました。
で、駒ケ岳は長万部よりも森町のもの、では???
気になって後から調べましたが、函館の大森浜から津軽海峡越しに大間を望むより、
長万部から駒ケ岳のほうがよっぽど遠い。1.5倍ぐらい遠いわけです。
浜辺もお世辞にもきれいとは呼べない場所でした。あとから録画を見直して、
長万部の誰がそんな無責任なコメントを発したのか確認してしまいました。
こんなことでは終わりませんよ。
ご丁寧にこんな垂れ幕がかかっていました。
早期開業しないほうがいいです。まだ何も準備に取り掛かっていない。
これ、年配の有力者が新幹線が走るところを見てみたい、一心なのだと
思います。
知内→長万部、ここでも見事なリレーです。
いまから真剣に考えていないと、札幌延伸には間に合わないのは明白です。
散歩から戻って朝食。チェックアウト後は駅まで宿の車で送ってもらいました。
駅の手前で有名なかにめしの「かなや」で駅弁を買いました。朝8時からの営業ですが
さすがに朝9時に買いに来る客は最近いないと見えて、対応も活気のなさが
印象に残りました。こちらが一万円札を出したのが気に食わなかったのでしょうね。
いかに突出しているか、ということです。
もちろんトリップアドバイザーで駅の観光案内所が1位と宿のスタッフに
話しましたが、さっぱり話が見えない様子でした。
で、最後におまけ。長万部の惨状ばかり頭を駆け巡っていて、
チェックアウトするときにルームキーを返さずに駅のホームまで来てしまったのです。
函館行の到着まで4分。ダッシュで改札に戻り、
「旅館に連絡して撮りに来てもらうから、しばらく預かっておいて」と
駅の改札係に頼みました。
彼は何と言ったか。
「もう連絡済みですか?」
そういって上司に確認をとりました。
連絡せずに黙って置いていくはずがなかろうて。
こっちは「それはちょっと」と返ってくる前に、
特急に乗り込むだけです。
もちろんキーを返し忘れたのはこちらの落ち度ですが、
そういうところで機転が利かないところがJR北海道の駅員の
スキルの高さ、です。
当然、このままバックれてもわからない。
でも作り直すことを考えれば、駅までのガス代など微々たるものでしょう。
あと4分でそう判断しました。
このまま新幹線が札幌延伸になったら、1日何本が停車するでしょうか?
長万部町民も、駅員も、新幹線は要らないのでしょうか?
まだ先のことなので実感が湧かないのだとしたら、
最大級の××ですね。
続いて森町の「あの」場所についての話になります。
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