★宿考(4)★東山温泉・くつろぎの宿新滝…それは詰めが甘すぎる!
現状認識を常に忘れず、足りない部分は補えばいい。
今日より、明日はましになればいい。
安住、油断が人生の敵。
でもそういう生き方と無縁の人もいるけれど。
特に職人でその精神が欠けているのであれば、不適格ということになるよね。
さて、宿考(やどこう)第四弾は福島県会津は東山温泉。
会津若松の奥座敷、駅から車で10分ちょい。
ちょっとひなびた山間に入りかけた歴史ある温泉街。
川が流れていて温泉街の風情なかなか。
こっちは温泉旅館「向瀧(むかいたき)」
訪ねたのは「くつろぎの宿 新滝(しんたき)」
新滝のエントランス。普通にリッパです。
只見線の代行バスが遅れ、会津若松に着いたのは18時過ぎ。
宿の夕食は例によってパス。しかも翌朝は会津若松から8時過ぎに出発。
そんなあわただしい短時間滞在で、宿うんぬんできる素材が集まるはずもない、
と最初は思っていた。
普通、そうだろう。
宿から「お客さん、もっとじっくり滞在してくれないと温泉の良さはわかりませんから」
内心びくびくしながら半日ほどを過ごす。
お湯…特に問題なくバリエーション十分の複数の湯船
朝食…地元の食材を意識したバイキングながらも豊富な品揃え
↑自分の都合で時間が詰まりすぎて魅力ある朝食には撮れていないのが心残り。
お部屋…萩本陣で感じた純和室の居心地の悪さは敷布団の質と判明。さほど気にならず。
レポートはここで終了しておかしくない流れだったのだが、最後に決定的な事件が起こる。
それが東山温泉のすべてを物語る、とまとめたいぐらいな、アマチュアなできごと。
まず、チェックインの時点で、明日の出発を告げ、送迎関係を確認。
「会津武家屋敷前から7時45分に若松駅方面ゆきの循環バス出ますので、
10分前にはフロントにお越しください。随時お送りしていますので。
会津武家屋敷までは5分もかかりません」
フロントマンはそう言ったと自分は記憶している。
翌朝、すべて出発準備を終わらせ荷物を持って部屋を出る。
朝食開始が7時15分。さすがに朝食バイキング10分では終わらない。
7時32分、フロントでチェックアウト。
送迎の件を確認。何も申し送りされていない。
いったいどうなるのか?7時37分、あわてて外へ出ていったフロントマンは
マイクロバスを回して玄関に横づけ。
そうか運転手が待機しているわけじゃないのか。
ほんとうに5分足らずで武家屋敷前に到着。
するとそこに循環バスの姿が。
「進行方向、逆ですよね?これじゃないですよね?
7時45分って時間聞いたけど、41分って言っていた?」
と逡巡する間にバスは発車。
↑駅へ行くのは間違いなく赤いほう、「赤べこ」。7時41分。
でも、あわててマイクロ回してくれたフロントマンに申し訳ないので、
やせがまんして「大丈夫です」と別れる。
でももう次のバスは時刻表では75分後。
しかたなくタクシーを呼び、待つ。
すると先ほど逆方向に向かったバスが、
今度は明らかに駅方向に向かって(戻って)走ってくる。
そしてバス停は道の反対側ではなく武家屋敷前に並んで上り下りが
仲良く並んでいるではないか。赤と緑の1組じゃないよ。赤緑の2組!
あかべぇの左方面と右方面のバス停が仲良く立っていることを理解するためには、
バス路線図をしっかり理解しなければいけないのは当然としたら、旅人の落ち度なわけですよね?
まあ10人中8人が無理でしょう。それに右方面行きの矢印が左向きだし。そりゃバスはこっち向きで
入線してUターンして出ていきますけどね。不親切このうえない。
すでにタクシーを呼んだ手前、
今度は乗るべき7時47分のバスをスルー。
列車に間に合うか、かなり時間が迫る。
なんとかタクシーに乗り込み、この件を運転手さんに話すと、
「おかしいよ、それは。だって循環バスは武家屋敷から、
東山温泉の狭い道で入れるぎりぎりまで行って折り返して
今度は駅へ行くわけだから、なんで旅館の人がそれ知らないの?ありえない!」
そういえば、早朝散歩していたときに「バスセンター→バス待合室」が
旅館から3、4分の場所にあったっけ。そこまで循環バス、上ってくるのか。
ということは、車で到着する宿泊客が増えて、
旅館側が「客の足」を意識しなくなった、ということなのか。
よく遠足は家に帰るまでが遠足、というけれど、
宿は客を次の移動手段に届けるまでがおもてなし、ということ。
行きも、東山温泉行の循環バスの最終が18時。
これもあり得ないが、夕食予約なし、の宿泊客の食事処は、
ソースカツ丼のお店(卯の家)と中華食堂がそれぞれあるのみ。
↑前夜の夕食、「ソースカツ丼セット」1250円也(ラーメン、馬刺つき)
↑旅館街の「協力」で売り上げを確保する卯の家さん。翌朝散歩のときにパシャ。
ソースカツ丼のお店がまあ流行ること!
せっかくの風情ある温泉、これ確実に衰退の流れ。
↑風情ある温泉街を撮ったつもりでした。射的の看板につられて。
左の廃屋に注目。廃業した旅館の「高橋館」。これが実は新滝の客室から見える。
これをわざわざのエクスキューズ。
「廃業した高橋館の建物がが台風その他の風雨に晒されて倒壊状態にあり、
景観を損ねるとともに安全性にも問題が生じており、現在居住しているご高齢の当館オーナーに
申し入れも、いまだ決着がついておりません。お客様におかれましてはご了解いただけます
ようお願い申し上げます。」というメッセージが(新滝の)各客室にあったのです。
あのさ福島、今それどころじゃないから、って話?
いや、「福島」でひとくくりにされたくないでしょう。
せっかくのチャンス、逃したと思いません? ねえ、東山温泉と会津若松市。
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