当然のように走るな、と言われても守らない奴がほとんどだし、誰かが走ると
収拾のつかないことになる。
有馬記念でもあり、ふだん座る場所が決まっている連中ばかりじゃないので、
走りつつ右往左往。
そこに60歳以上の高齢者が4割含まれると考えてみたらどうなるか。
上り階段があるわけで、転倒者がひとりやふたりではすまないということだ。
有馬記念と言わないまでも、G1デーの混雑を何度も経験している身としては、
全力で戦って(走って)安全を犠牲にするより、転倒のリスクを回避するほうに
重点を置く。その結果、珍しくこの日は最初、いつもの最前列がとれなかった。
しかし、そこはBB団の連携でいつもの場所ではないが、ちゃんと最前列に
収まれるようになっているのが幸運。
先週場内でスマホ撮影をしていたら、警備担当の長身かつ年配の男が
ちょっと裏へ来い、と言う。
ここで話してくれ、と言うと、ちょっといいから裏へ来いという。
別室で職員3人で客1人を取り囲んで詰問大会。
まるで万引き犯扱いである。
「あなた、いま場内で撮影したでしょう」
と言うので、撮った写真を見せる。
こういう写真を撮っちゃいけないのかというと、その写真は問題ないが、
「撮ったのはそれだけかどうかはこちらにはわからない」という。
「場内で写真を撮っている人間がいる」というタレコミがあったようだ。
場内で写真を撮ったらいけないのか、と聞くと
レープロにちゃんと書いてある、と言う。
他のお客様の迷惑になる撮影はご遠慮ください。
レープロに書いてあることは知らなかったので「知らなかった」と答えると
知らなかったのはしかたないが、次からやるな、という。
何を? 撮影そのものを? 迷惑な撮影を?
誰が迷惑と判断しているか、JRAか。
すると
「我々の施設内での撮影はたとえメディアであっても屋内でも屋外でも許可がいります」
その警備担当が言う。
それはメディアだからでしょう。じゃあ、このブログもメディアをいうことで、
取材申請をするか。
スタンド席から「今日は函館山がきれいだなあ」と撮ったらいけないのか、と聞くと
それはいい、という。
写真の他のお客様が映り込むと肖像権の問題がある、などという。
じゃあ、後ろ姿であればいいんですね?
と返すと、ちゃんと理解しているのか、と。
きょうはG1で列が長いなあ、と撮影するのもいちいち許可がいるのか?
どう考えても実情にはそぐわない。
再三こちらから問いただす。他の入場客が写るのがいけないのか、
他の入場客の顔が写るのかいけないのか。明確な回答をしないJRAの3人。
となると取りようによっては「シャッター音によって被写体とは無関係の人物も
不愉快に感じる」ということでしょう。スマホのシャッター音は隠し撮りを防止するために
あるのではないのか? 隠し撮り助長なわけではあるまい。
なら、JRA函館競馬場ではあらゆる撮影は禁止、と明記すればはっきりする。
別にどうでもいい。本質はそこにはないのだから。
「迷惑、迷惑でないは主観ですよね?と問い返すと返答に窮する警備担当。
「それはJRAの主観ではない」と力説する。
まったく説得力がない。
いっそのことそちらの「要望」は文書にして渡してください、と言えばよかったか。
「権力」に対して、やりとりを録音しないこちらの落ち度か。
どっちがどうか、出るとこ出たほうがいいのか。
もめれば客が損という立場でモノを言うケイバ主催者…。
なぜ、そんな場面で戦わなければいけないんだ?
じゃあ、他のお客さんの顔がわかるような写真を撮らなければいいわけですよね?
と返事をすると、今度はほんとうに理解したのか、と言う。
何を???
その別室から自席へ戻ろうとすると「もう立ち去るのか」
こうなると強要まがいの行為だと言えるだろう。
ちょっと裏へ来い、と客の馬券購入を阻害しておいて、
自分たちの「お願い」ははなはだ不明瞭である。そのうえ「もう帰るのか」
それこそ「貴重なご意見ありがとうございました。参考にさせていただきます」だ。
かねてから入場客へのリスペクトが一方的に欠けていると感じたが、
まあ先々週の事件はそんなものである。
この挨拶のひとつもろくにできない偉そうな警備担当は、
この日の有馬記念の朝も偉そうに突っ立っていただけであった。
さすがに最終レースが終わって、こう言ってやるしかなかった、わけだ。
つづく